地球へ・・・ section12「孤独なるミュウ」
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なんとなくもやもやとしていたことを、前回言葉にして書いてみてしまって。そうしたら、何だかちょっと楽になったのか、今回はずいぶん楽しく見ることができたような気がします。
世代間の断絶と対立のようなものが深刻化しているナスカの状況なんですが、“あ、そうか。今まで私にはピンと来ていなかった主題歌の歌詞は、このへんの若いミュウたちの気分なのか”という感じで少し分かってきたような気がしてみたり。・・・してみると、私はバッチリと旧世代のほうの感覚に近いらしくて、“嗚呼、やっぱりそうなのか”(笑)って感じでしょうかね。
この『地球へ・・・』という作品。かつての私の印象では、ジョミーってのは見た目あのまんまなのに、だんだん(どんどん?)超越的な存在になっていってしまって、それよりどっちかと言うと、かなりキース・アニアン(そのクールな振る舞いの中に秘められた人間臭さ?)に感情移入しながら読んだり見たりしていたという記憶があります。(“世代論”よりも、“管理社会”とか、そういう問題意識のほうが当時の気分では重く感じられてしまったような気がします。)
だけど私も年寄りに属してきたらしいし、そのへんが今回はどうなるんでしょうかね。今回の悩めるジョミーの気持ちは、・・・ここまでのところ、わからなくもないですよ。
私は、・・・“今の自分は、平和ないい時代に暮らしているな”というような気持ちを、あまり実感として持てずに生きてきたような気がします。冷静に客観視すればそうなのかもしれない、と考えることはあっても、“いつも何かに脅かされている”感じというのは消えることがなくて。だから、平和ボケしてるとヤバいよという、ミュウの長老たちの危惧っていうのに共感できてしまいます。
この昔々の作品から、こういう世代の断絶のような部分を今日的な問題として、当時以上にクローズアップして切り出してきて見せているっていうのは、そこは今回のテレビアニメ化の視点として、評価してもいいんじゃないかと思います。(そういう要素が既に原作に含まれていたっていうのも凄いと思いますけど。)
こんなに分かりやすく切り出して見せてしまって、当の若い世代にはどう見えているんだろうかという怖さはあるんですけどね。でも主題歌からも感じられるように、作品全体としての視座としては、むしろ若い世代のほうへと寄り添っているのかな?
何気なく、キースの耳にはピアスが付いてました。今回のサムの描かれ方は、どう見ても死んじゃったように描かれていたと思うんだけど、実はジョミーがひそかにわざとそう見せかけていた、というような伏線があるのかな。(展開に説得力を持たせるため?)
それにスウェナさんが、シロエのメッセージを持っているとか言っていたり。・・・こういう予想が付かない要素があるので、旧原作世代でも何となくハラハラとしながら見ていられるという気もします。こんなのも、むしろ私のようなオールドファンのためのサービスでもあると思って見たほうが、いいのかもしれないですね。
下記は、この作品の中での“地球”へのあまりに強い思慕について、かつて私が「?」だったことへの優れた解釈だな、と思いながら読ませていただいたんですが、物語のラストについて、もの凄く重要なネタバレがあるので、原作を知らない世代の人たちには、今回のテレビシリーズが完結するまでは読まないで欲しいと思ったということも付け加えておきます。
“地球”というのは、既に記憶の中にだけある憧れの星。『地球へ・・・』というのは、その「奪われた記憶」についての物語で、世代を超えて存在する懐かしさのような不思議なものというのが、三世代の連なりを描くことで表現されていた、というような内容に読みました。
かつての私は、まさにその“懐かしさ”が何のことやら分からない世代だったのかもしれないんですが、今は何だか分かるような気がするからおかしなもんだなぁ。(笑)
だから、時代を経て味わい直してみるべき価値のある作品を、こうしてもう一度見せてくれている今回のリメイクに、本当に感謝したいですね。(うまくやってくれよ、という思いもありますが。)
なおかつ、今この作品をはじめて見る世代の人たちには、ラストまで見終わったあとに、“ものすごく割り切れない”思いが残るかもしれないということを、あらかじめ言っておきたいような気がします。でも、その割り切れなさにこそ計り知れない価値がある、と思いますよ。
こんなふうに時代を経て味わい直すことができるって、『地球へ・・・』って本当に名作だったんだなぁと改めて。こういう作品に少年期に出会うことができたことを、本当に感謝します。
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レビュー・評価:地球へ……/section12 : 孤独なるミュウ
- [2007/07/03]
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