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「機動警察パトレイバー 2 the Movie」雑感その2 

[2007/04/20] | 感想系 | トラックバック(0) | コメント(2) | TOP ▲

BLUE ON BLUE(XPD SIDE):
ロボットアニメの陰画としての「機動警察パトレイバー2 THE MOVIE」

 crow_henmiさん、トラックバックをありがとうございました。大変参考になりました。以下、失礼ながら(要約にならない)要約で、ちょっと自分用の整理メモにさせていただきます。

富野的(つまり大抵の)ロボットアニメの重要なポイント

  • 「言葉及び行動による直接的・間主体的コミュニケーション」が発生している、あるいはあたかも発生しているように見える、という点(→ コクピットのシャアとアムロが互いの意見をぶつけ合いながらモビルスーツでバトルしている、とか、そういう風景)
  • コミュニケーションの結果において断絶があろうとも、「そこに相手が存在している」ということは自明とされている点( → 過程においてもそれが成り立っている/あるいはそう見える)

一方で、押井守がパトレイバー2で執拗に描き出したもの

  • そうしたコミュニケーション(ひいては間主体性、さらには「他者」及び「他者」によって構成される世界の客観的実在性自体)の周到な迂回と否定
  • 一貫して相手の顔が見えず、常に画面の向こう側にしか存在しておらず、時にはそれが虚像ですらある。しかしそうした虚像と欠如が「状況」を次々と作り出す運動力となっていく。
  • 姿が見えない、コミュニケーションが成立しない、そもそも間主体性の鍵である「相手」が存在しないことすらあるまま、ただ目前の「状況」に対して自らの抱くイメージ――すなわち「虚構」に向かって銃を向ける/向けざるを得ない「戦争」。

 「間主体」というのはマルクスですか?ちょっとこの用語、難しい・・・。でも例示があるので、漠然とイメージは分かりました。

そうした、逆倒した構図――ロボットアニメの陰画として、パトレイバー2という作品は存在しています。この構図は最後、柘植としのぶが出会うことによってようやく解消されるのですが――その一点に向け、際立たせるために、ぎりぎりまで引き絞られているのです。

 「コミュニケーションの断絶/《他者》の直接的不在/それらによって描き出される《虚構》としての戦争」、おそらくは「それこそがわれわれのリアルである」。ふーむ…。われわれですか…。

  • 敵とはコミュニケーションの断絶の向こう側にある存在であり、コミュニケーションによってはそれを把握することも理解することもできない。
  • われわれはそうしたものを「状況」として捉えることしかできず、それを自らの中で「解釈」して対応することしかできない。

 押井守はそのことを通じて「われわれのリアル」とは何かを描き出したかったといえるのではないか、とのことです。・・・なるほど、少なくとも、よく安易に“リアル系ロボットもの”とか言われるガンダム的なものが、どう設定で言い訳を付けても「リアル」ではないところが、実によく分かりました。

「他者とのコミュニケーションの断絶」「解釈と推測によってしか描き出せない《他者》と《戦争》」の存在。これらは「コミュニケーションとは断絶であり、理解とはすなわち願望に過ぎず、世界とはすなわち虚構に過ぎない」という徹底的否定の中で、己は己の限られた主観のみを生きていかざるを得ない/いかねばならないということの暗喩です。

 なるほどなぁ。「押井守にとって、このような徹底した否定を描き出すために、ロボットアニメというジャンルの表現方法は本来まったく正反対であったからこそ、逆倒した形とすれば最も使い勝手のよいジャンルであった」とすると、“ロボットもの”という存在は、ここでは見事にダシにされたというわけですねぇ。
 「陰画」というのはネガ、つまり裏返しのこと。反転した像を見せるためには、本来の像も存在していなければならないという意味で、この作品はロボットアニメという存在に依拠しており、そのために“ロボットもの”の形式でなければならなかった、ということでしょうか。――『パトレイバー2」という作品をどう見るべきなのか、丁寧に教えていただいたおかげで、ようやく少し分かったような気がします。

 ここで何となく私が、作品を見ただけでそういう風に理解できなかった自分を省みて思うのは、いわゆる“リアル系ロボットもの”の実はリアルではないところとオーバーラップして、(とりわけ戦場という)現実世界が、実はあやふやなものの上に立っていることもまた描かれているという、その構造の複雑さが、単純な私の理解力を超えていたんですかねぇ。いや、ただ単に私がロボットもの好きという視点からしか、アニメを見ることができないだけなのか。とにかく大変勉強になりました。ありがとうございました。

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 もう一つ、『パトレイバー2』についてh-nishinomaruさんが書かれたものも読ませていただきました。
 「《普通の実写ドラマじゃ、なぜだかチャチに思えてしまうことがアニメという絵空事の中でリアルに感じてしまう》ということばは、もっとも正鵠を射た伊藤和典批判」とコメントもいただいたのですが、伊藤和典(→ Wikipedia)さんというのは、押井監督とペアを組んでいる脚本家の方なのですね。
 そんなことを調べている中で、“「パトレイバー2」 検討用あらすじ”というのを見つけたりもしました。なるほど、本編の映像の中で、「?」だったこと(特に登場人物の気持ちのようなもの)が、これを読んだら、また少し分かった気がしましたよ。

物語というより、戦争に対する押井守の研究論文。うん。シナリオの完成度って、いったいなんだろうって考えさせられた一本ですね。

 上記の「あらすじ」は、あまり“ロボットアニメの陰画”ではないようにも思われ、元のシナリオは押井監督の段階でかなりひっくり返されて、実際の映像になっているということなのかな、と思いました。(話のついでに、参考までに脚本と監督の関係について、最近読んで面白かった記事です。→ 「シナリオえーだば創作術」)

 「今ならアニメではなくても可能な映像表現をも『パト2』では追求した」とh-nishinomaruさんがおっしゃっていますが、私の場合だとむしろ『パト1』で、映像への漠然とした違和感を感じたような気がします。あと、私はあまりこの映画には「ワンダバ感」(笑)を感じなかったのですが、これはきっと(私がまだ見ていない)TVシリーズとかOVAも含めた『パトレイバー』シリーズ全体について言われたことなんでしょうね。はい、なんだかんだで「ワンダバ」大好きです、私。


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[tag] パトレイバー fc2ファビコン 押井守 fc2ファビコン ロボットアニメ fc2ファビコン

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コメント

> ワンダバ

あるところで聞いたんですが、
「『ランボー』は、出撃前に装備を一つ一つ身につけていくところが一番面白い」
というやつに、ちょっと似た雰囲気を感じたりします。


>戦争
コミュニケーションの隔絶という状況の極北が、言ってみれば戦争なのですね。
「モニタのむこうの戦争」という現実が、現代戦の象徴であるとともに、視聴者である我々にとっても、もっとも理解しやすい状況であるということ。
それでも「現場」は厳然と存在し、向かい合って殺し合いをしている事実。リアル=文字通りの現実でありながら、そこには決してコミュニケーションは生じえない。「いい○○は死んだ○○だけだ」。きりがない。

兵士一人一人が「自分用の脳内モニタ」越しに対峙しているというのは、実は古来変わらぬ風景であるのかもしれません。

頻発するテロ、アメリカでの不幸な事件、長崎での凶行を耳にしつつ、この項はとても新鮮な意味合いを持つものに感じられます。

…そうなんですよね、「顔見知りの仇敵」という状況は、その意味では「戦争」から最も遠い、少なくとも「戦場」からは最も遠いものなのかもしれないですね。
ロボットアニメが、少なからず成長譚としての側面を持つのに対し、戦争という状況は、ある意味得るものがなく奪うばかりのものだと言うアンバランスさもそこにはあるように思います。
それを成長だ、という視点もあるのかも知れないが、正直そういう意見は趣味じゃないです…。

> シミュレーション、Nintendo War

1990年代前半は、ポリティカルシミュレーションものの漫画、アニメ、特撮が注目されていたと記憶しています。『沈黙の艦隊』に『パトレイバー2』と『ガメラ2』です。後ろふたつはともに同じ脚本家でした。というわけで、先に書いた記事では伊藤和典氏に注目しました。押井守監督にしろ、金子修介監督にしろ、その後の映画では、伊藤流シミュレーション的リアリティを採用していません。たとえば、『イノセンス』ではほとんどテレパシー的なやりとりもあるし、『GMK』では幽霊がでてきます。だから、やはり、ここで論じられているリアリティは伊藤氏の作風といってよいのだろうと、わたしは考えているのです。

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