「機動警察パトレイバー 2 the Movie」雑感
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今日は久しぶりに少し早く帰れたので、ゆっくり見直してみました。この作品は、“音”が大事かもしれないですね。音楽とか、声優とか、そういうのもあるかもしれないけど、もっと全般的なこととしての“音”。昨日より、少しいい音の環境で見直したら、だいぶ緊迫感、臨場感が違いましたよ。
![]() | 機動警察パトレイバー2 the Movie ゆうきまさみ (2004/01/23) バンダイビジュアル この商品の詳細を見る |
昨夜は、“これ、『パトレイバー』じゃなきゃいけないんだろうか? ・・・ロボットアニメじゃなきゃいけないんだろうか? ・・・っていうか、アニメじゃなきゃいけないんだろうか???”ってブツブツ言いながら寝たんですけど。(笑)
- たしかに、パトレーバーである必要も、ロボット物である必要も、またアニメである必要も無いと思います。(charlieさんのコメント)
- パトレイバーがそれに向いている題材だったのは自明。「戦争」を語る際、ロボットアニメの陰画として、リアルに近接した世界であれを描くことに意味があった。(crow_henmiさんのブックマーク)
・・・と、いろんな視点のコメントをいただいて。当時の押井さんはロボットアニメじゃなきゃ映画を作らせてもらえなかったというcharlieさんの指摘も、まあ富野御大もずっとそんなようなもんだし、わかります。あと押井さんは「元の作品を使い、自分なりの作品を作ってしまう」確信犯(特に二作目はそう、宮崎さんも同類)という指摘もなるほど。(エンターテイメントや芸能の話は簡単ではないので、すみませんが、いつかまた違う機会に続きを。)「個人的で押し付け」なんてことは全然ないですよ。むしろそれ、この作品の話をするのに私が一番困っちゃってることです。(笑)
crow_henmiさんのおっしゃる「ロボットアニメの陰画」っていうのも、難しいけど何となく分かります。でも「自明」で終わらせないで、パトレイバー初心者にもわかるようにもう少し、ご説明いただけると嬉しいです。(これ、素直なお願いです。)
常連の皆様はご存知かと思いますけど、私ってアニメのつたない感想を毎日のように書きながら、ときどき“たかがアニメ、それも、よりにもよってロボットもの”が何で好きなんだろうって、自分で自分が不思議になってる人なんですね。個人的には、その謎(笑)を解き明かすためにブログを書いてるって言ってもいいのかもしれないぐらいです。
「機動警察パトレイバー 2 the Movie」は、そんな私を考え込ます作品、深く琴線に触れる作品だったということは、申し上げておきます。
ちょうどそんなタイミングで読んだ「おまえらそんなにアニメが好きか」(忘却界抄:これまでじゃ…これからじゃ!)という問いかけは、けっこう重く。またそこから「素人が難題を勘と運で乗り越えるのではなくて、プロが知恵をしぼって解決するアニメをもっと見たい」(ARTIFACT@ハテナ系)を読み返してみて、けっこうこのパトレイバー2はそのリクエストに当てはまっているように思えたり。
日本だと送り手側で左翼が強かったので「警察、軍隊=体制=だからダメ」という構図があり、プロより経験のない人間のほうが素晴らしい、となってきた感が。もちろん例外はあって、押井守氏なんか、左翼だけど警察や軍隊が大好きです。宮崎駿氏も軍隊(というか兵器)は好きだし。
この話を人にしたら「SF作品やジュブナイル作品では経験より勘のほうが良い、という価値観があるのでは」と指摘されました。確かに。ニュータイプもそうだしなあ。
そのへんの周辺で、例えばこんな話(↑)とか。
実写とアニメ(特にリアルっぽさを追求しているもの)の境界はだんだん曖昧になってきているんですけど、(個人的な感覚かもしれませんが)私はなんだか普通のドラマのほうが、むしろチャチなものに感じてしまうことしばしばなんですね。(なんでかなー)
例えば「パトレイバー」は、あくまでロボットアニメの文脈で職業的な部分を強調したに過ぎない。
だけど、これ(↑)は、シリーズ全体ではどうなのか私には分からないですけど、少なくともこの映画二作目に関しては、“えぇ、そうかなぁ?”と私には違和感のあるご意見でした。
「戦争はいつだって非現実的なものさ。戦争が現実的なものであったことなど、ただのいちどもありゃあしないよ。」
「なぁ、俺がここにいるのは、俺が警察官だからだが、あんたぁ、何故、柘植の隣にいないんだ?」
この作品の主役が後藤隊長だっていうのは誰もが認めるところでしょうが、もう一人挙げるとすれば、南雲しのぶさん(「あなた方はそれでも警察官か!」というハマーン様のお声♪)か、それか、ここでの話し相手である“荒川”(c.v. 竹中直人!)かって感じですよね。
“ちゃんと仕事するプロの職業人”のあり方っていうのが、いくつかの層にわたってポイントになっている気がします。後藤や南雲の行動もそうだし、それこそハマーン様こと榊原良子さん然り、怪優・竹中直人然り。そして『パトレイバー』というロボットものの枠内で、こんだけきっちり作品を作っちゃう押井監督という人もまた然り。
ただね、私この作品ですごく気に入っているの、駐屯地への警備行動派遣に抵抗していた後藤隊長が、しのぶさんのプチ絶縁宣言(?)に遭って、あっさりと「あ、しのぶさん、気、変わった。今、変わった」って、なさけなーく電話しているところだったりするんですね。(笑)
これを裏返して言うと、第一作みたいに主役を取り巻く群像の一つとして後藤隊長がかっこよく存在するのと違い、ここでは後藤が主役なんで、彼のリアルな人間味が描かれる場面が私は必要だと思ったということかもしれません。――繰り返し言われていた「状況」ということのリアリズムだけではなくて。
作中ラストで南雲が「今、こうしてあなたの前に立っている私は、幻ではないわ」って言いますよね。「モニター越しの戦争」「蜃気楼の街」みたいな危うさは、この作品の重要な要素だと思うんですけどね。これを両立しようとすると、作品が“きっちり”まとまらなくなりがちなんだろうなぁ。
作中で“鳥”が象徴的に使われますけど、物語を鳥瞰する視点に、私はうまく馴染めないという、いっつも最後はそういう話になっちゃいますけどね。
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コメント
アニメでなければ見てなかったかも
確かにパト2はパトレイバーというアニメで描かなくても良い作品だったかも知れませんし、そういう媒体でなければ映像化できなかった事情もあるのでしょう。ただ個人的には、パト2として公開されたアニメであったからこそ、この作品に出会えたものでした。
パト2は帰省していた折に地元の友人と見に行って、東京に戻るのが恐くなった作品でした。現実と微妙にズレた東京の奇妙なリアルさというのは、アニメという絵空事の中でこそ描かれたものであったという印象もあります。もう随分見直していないのですが、それでもそういう感覚は残っている作品という認識があるのです。
過分なお言葉をいただき恐縮しています。・・・と私信でした。
「パト2として公開されたアニメであったからこそ、この作品に出会えた」
それは私も同様です。作品の良し悪しとかではなくて、「アニメって・・・?」と考え込まされる作品だったので、つい考え込んじゃっているんです。そうなんですよ、普通の実写ドラマじゃ、なぜだかチャチに思えてしまうことがアニメという絵空事の中でリアルに感じてしまうことの不思議さなんです。
伊藤和典批判
それにしてもここ十数年のCGとVFXの発展には目を見張るものがあります。おそらく『パト2』当時、アニメ監督の中ではもっともデジタルに関心と理解のあった押井守氏だけに、逆に、その後の発展を見誤ったのではないでしょうか。だから、今ならアニメではなくても可能な映像表現をも『パト2』では追求した、そんな風にぼくは考えているのです。
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