「オタク思想史」?「攻殻機動隊」? 

[2005/09/27] | ネット巡遊記 | トラックバック(0) | コメント(4) | TOP ▲

8光年の彼方経由で不思議なページを読ませてもらいました。「オタク思想史における攻殻機動隊の位置付け」と題されたこの文章。

戦時中のアニメーションは、海軍と密接な関係を持っていた。

から始まる内容はなかなか刺激的。「アニメ界の赤色巨星元全共闘副委員長高畑勲と、その高畑勲にオルグされてアニメ界へ入ってきた宮崎駿」ぐらいは序の口。

手塚治虫は焼夷弾直撃寸前という体験から、終戦を迎えた時には「生き残れた喜びと新しい時代への期待と希望」を感じた。そして、天皇教からの解脱を果たすべく、新たなる共同主観を構成する思想の提示の必要性を認識していた。一方の宮崎駿は「不良品混じりの戦闘機を納入していた軍需工場経営者の息子」「宇都宮空襲の際に、助けを求める乳飲み子を抱えた近所のおばさんを振り切って親族だけで三輪自動車で逃げ出した」負い目を創作パワーの源泉とした。手塚は赤旗に度々寄稿していたし、宮崎はマンガのデビュー作「砂漠の民」を赤旗に掲載している。戦後アニメ界の創世期を形作った巨匠達は破滅的戦争からの反省を含めて、共産主義的イデオローグに依拠してアニメ作品を作っていくことになる。


・・・ほんとに刺激的。
(※「(笑)」と付けたかったけど、不謹慎かと思って遠慮してしまいました。)

この文章の本筋は、最近ここでも話題になった押井さんのことに繋がっていきます。

押井は後年
「ジブリはクレムリン、
宮崎さんはスターリンで、
高畑さんはトロツキーかな」
と評している。


・・・むはぁ、刺激的・・・。(これ、ほんとの話ですか?)

攻殻機動隊は「官憲物のオタク作品」ですか。なるほど、そういう視点もあるのですね。『逮捕しちゃうぞ』とか『こち亀』まで完全に統治サイドに対して無批判な作品として挙げるのは少々行き過ぎかなぁと思わなくもないですが(笑)
(※はぁ、やっと笑ってもよさそうなところがあった…。)

攻殻は現代日本統治を模倣しているが故に、現代日本統治が善政であるかの如き錯覚を与えてしまう危惧がある。現代日本社会の延長線上に位置した世界観を背景とする攻殻は、リアリティある描写を持って、受け手が抱く「アニメは所詮絵空事」との判断をねじ伏せてしまう。


ほぉぉ、すごい。説得力があるかも。

メディアが繰り出す虚像に視聴者が苛まれるのは、むしろアニメにおいては特例である。最も問題視されるべきなのは「トレンディドラマ」であろう。何しろ演じている人々が実在して、セレブリティな生活を営んでいるので、視聴者はドラマの中身と現実の境目を見いだす事が出来ずに、自らの価値観を引きずられる。


ここは脱線気味だけど、とても面白いものの見方をする人ですね。この部分、ひどく共感を覚えました(笑)。

現実には彼らほどの経済力や異性としての魅力を兼ね備えた人間と親しくなるのは、宇宙戦艦ヤマトを針の穴に通すよりも難しい。


・・・むはぁ、面白い!(例えも(笑))
「トレンディドラマ症候群」ですか、なるほど!

社会への関与は金銭関係だけで無い部分で最低限の責務を負わねば、この日本社会はいずれカタストロフを迎え、一気に噴き出る負の所産により、我々の生活が根底から破壊されてしまう時が来るのである。


しかし結びは、この上なく重い!

実は『攻殻機動隊』は見てないんですけど、大変考えさせられました。この筆者の人はどんな人なんだろう?この文章「Ver0.4」って書いてあるから、まだ加筆されるということ?

こっちの文章も面白かったです。ピカチュウのGIFアニメはやばいんじゃないかと思いましたが。(というか富野やガンダムの話題が出てる、こっちこそ本来、弊ブログ向けの内容だったかな?)
全体の読みにくさはありますが、個々に言及しておられる内容は面白いので、こんなに欲張って一つの文章に詰め込まずに、もっと読みやすく書いてくれればいいのにな、と思いました。・・・っていうか、リンク切れも多いし、このサイト自体生きてるのかな?この人の文章、もっと読んでみたいんですけど。

ついまたネットで拾ったネタを書いてしまいました。 orz

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コメント

> 私ゃダメだ・・・。

この人の文章(って言うか思想)は・・・。
何でもかんでも「反自民」と言い切ってしまう「短絡的思考」としか思えないです・・・。なんて云うのかな、世界観が「二者対立のみ」という恐ろしく単純化されているものしか見えてこない。有り体に言って「あまりに幼稚な世界」しか持ってない。
「反体制=正義。バンザーイ」と「警察官を描写=権力礼賛。悪いヤツ」ぐらい。この人の理想社会は「犯罪天国」なのではないかと思ってしまう。

例えば「攻殻機動隊」という作品を語るときに、映像作品はもちろんの事コミックやノベライズまで目を通しているとはとうてい思えないほど「浅い」し、政治家に対する描写も「やってる事は同じ」なのに所属する政党が違うと云うだけで雲泥の扱い。
ちょっと「ものの見方が幼稚すぎ」です・・・、私からみると。

> いろんな人がいますね

何か偏ってますね
無理やり体制批判にもっていってどうしたいんでしょう?

> うーん。

私はこの人の立ち位置は、皆さん言われるよりも、やや曖昧だと思いました。(サヨク的というよりは、アナーキーな思想なんでしょうけど。)・・・ただ、反体制というよりは、体制を無批判に信頼するなということで理解すれば、言っていることはそれほどひどいとも思いません。ただアニメにそういうものを見ること自体が妥当かどうか、というのは論議されるべきかもしれません。
『日本美術の特質』(矢代幸雄)という古い本の中では“感傷性”という要素が挙げられていて、「日本に於ては、文学芸術は主として抒情の器と考へられ」「諸芸術は著しく哀調を帯び情感に訴へるを本務とした」という指摘があります。そのことの是非は別として、そういう捉え方をする国民性であることは事実だと思います。・・・アニメやマンガを文学芸術と同列に論じること自体も難しい話ですが、体制への抵抗力はさらに脆弱であり、プロパガンダの手法として安易に利用されやすいことも事実でしょう。その程度の弱点の認識は、持っていないより持っているほうがいいと私は思ったに過ぎません。

まあそれよりも、ジブリがクレムリンに、宮崎さんがスターリンになっちゃったのが一面の真理とすれば、それもつらい話だなぁと。

それと、吾らが御大は右寄りの社会派であるようなことを自称するわけなのですが、左右を問わず、そういうものがWOWWOWにしか棲めないというのも故のないことではないように言われれば、「ホンマかいな?」程度には、聞き耳を立てたくなったりもするという程度です。一応「大人」(大きなおともだち?)のアニメファンとして、せめてその程度には覚醒した人でありたい、と思うのみです。

> 気になるのは

この人、「体制の言う事は鵜呑みにするな」と云いつつも「反体制の言う事は鵜呑みにしてる」様なんですね。アナーキーな思想家なら「政治に口出しちゃいけません」。アナーキストとはこれ「無政府主義者」のことですからね。

プロパガンダに利用しようとするのは何も体制側ばかりとは限りませんよね。反体制も同様に利用可能なのです、メディアというものは。私は「体制に迎合する危険を主張するなら、同様に反体制に対してもその危険を主張すべき」だと思う訳ですよ。

それから、攻殻機動隊は決して「体制側の捕り物絵巻」なんて云う単純な作品ではありません。これは原作コミックを見れば明らか(原作では素子を切り捨てた首相が「我々は何も失わん」として安閑とする様が描かれている)なんですけどね。攻殻機動隊という作品群を「アニメだけをみて騙る」のはちょっと乱暴すぎると思います。まあ、攻殻~の場合、単行本化されていない短編が山ほどあるので、追っかけきれないのも確かなんですが・・・。

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