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テッカマンとウルトラセブンとベトナム戦争の話 

[2006/11/21] | 随想系 | トラックバック(1) | コメント(1) | TOP ▲

 「隊長、未確認飛行物体接近!」
 「よし、撃ってみろ!」


……というのは、何年か前に『ウルトラセブン』を見直したときに、あちゃ~、という感じで私の印象に残ってしまったシーンだったんですが。
 だって、ねぇ?“未確認”なんでしょ。それ、何も確認しないで、間髪も入れずに、いきなり「撃ってみろ」はまずいんじゃないの、キリヤマ隊長? と思ったんですよ。(笑)
 Yahoo動画で『宇宙の騎士テッカマン』の第11話「失われた宇宙船」を見て、ふっとそんなことを思い出したんですけどね。ちなみにウルトラセブンは1967年の作品。テッカマンは1975年の作品です。

「地球人自身が過去に地球を侵略した侵略者の末裔ではないか」という疑問を投げかけ、主人公の正義を根底から揺さぶった第42話「ノンマルトの使者」や、地球防衛軍が行った新兵器実験の犠牲になった宇宙怪獣の悲劇を通して軍拡競争への批判を描いた第26話「超兵器R1号」など、娯楽作品の枠にとどまらない重いテーマの作品がある。(Wikipedia)


 ウルトラセブンというと、こういう面が強く印象に残っていて、その目で見直したときに冒頭に書いたようなシーンが案外多くて、ありゃりゃ~、と思っちゃったわけです。
 テッカマンの第11話では冒頭、月面近くをパトロール中のスペースナイツが、謎の宇宙船を発見。未確認のそれを主人公がテッカマンの力でいきなり先制攻撃して破壊しちゃいます。――もうお分かりですね。それはワルダスターではなくて、地球に友好を求めてやってきた別の宇宙人の船だったという、そういう重~いお話なんですよ。
 スペースナイツにはアンドロー梅田という、(たぶん今では主人公以上に人気のある)仲間がいまして、これがサンノー星から来た宇宙人なのです。父をワルダスターに殺されて宇宙人を憎んでいる主人公と、アンドローは喧嘩ばかりしているのですね。宇宙人と見れば、すぐに敵だと決め付ける、そういうトラブルは絶えないアニメなんですが、それにしても今回の話はなかなかしんどかった。
アンドロー梅田

 「じゃあ、僕が破壊した謎の宇宙船は!?」
 「そう、ワルダスターではなかった。」
 「局長!!」
 「君に伝えたいことはそれだけだ。ご苦労だった。任務についてくれたまえ。」


 この時代のタツノコ作品にはありがちとはいえ、こういう描写、今見ても、けっこうキツいんですよねぇ…。それで謎の宇宙船の唯一の生き残り(何故かこういう場合、美女と相場は決まっていますが)はテッカマンへの復讐を決意し、そこへちょうどワルダスターも攻めてきて…という展開。
 テッカマンの闘いってのは、けっこうしばしば“痛そう”な描写が多いんですが、今回のはひときわ痛々しい感じで、そういう思いをして無傷で手に入れた敵の宇宙船を、その彼女に渡してしまうというオチ(リープ航法のできるその船は、滅亡まであと3年に迫った地球を救うためには咽喉から手が出るほど欲しい機体だったのに!)になります。
 ウルトラセブンは宇宙で侵略戦争が頻発していて、地球が多くの宇宙人に狙われており、ウルトラ警備隊も地球防衛軍という軍隊の一部という設定でした。そのへんの背景には、ベトナム戦争(1960~75年)が大きく影響していた、と言われていたと思います。
 もちろんテッカマンの時点でも、あちゃ~、と思うような問答無用の攻撃シーンは、そこここで見かけるわけなんですけど。“ノンマルト”的な主人公側の正義への疑いが、たまに入るのではなく、けっこう作品全体を通して繰り返し出てくるっていうのには、その間のベトナム戦争の推移なんかも影響を及ぼしているんじゃないのかなぁと思ったわけなんです。
 ただね、実際に戦時であれば、キリヤマ隊長のような判断というのは現実的にあり得るのかもしれない、とも思うのです。戦場とはどこかがはっきりしていなくて、いつどこから“敵”が現れるか分からない、などという状況は、当時のベトナムだけじゃなく、今のイラクなんかでも同様だったりするのかな、とも。イラクには自衛隊も行ってましたが。 
 先日、テレビで見た『亡国のイージス』のことなんかを思い出したりもしながら、自分はやっぱり平和ボケ世代なんだろうか、むしろウルトラセブンの時代のほうが、まだ“戦争”の記憶が生々しくリアルだったりしたんじゃないのだろうか、などと、うにゃうにゃ考えてみたりしていたのでした。
 でも、やっぱり、相手を確認しないで攻撃しちゃうのは、絶対にまずいですよね。そんなことにならないですむにはどうしたらいいのだろうか。考えれば考えるほど、難しい問題です。

 「宇宙人と見れば、虫や獣のように殺す悪魔!」


 『テッカマン』は作りも古臭いし、それほど評価も高くないアニメなんですが、こんなふうにたまに考え込まされる内容があったりするので、意外と侮れないですねぇ…。



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コメント

> おひさです!

うろ覚えですが、確か戦時における「未確認」は、敵に準じるものだったんじゃないかと思います。勿論国によって、時代によっても対応に若干の差は出るかも知れないけど、基本的に「明らかに味方と証せないものは敵として扱う」というのが戦争というものなんじゃないかと。
ていうか、戒厳令下でもそういう対応になるものだったような気がします。

だからどういうことなのかと言うと、
そういうのが「当たり前」になってる状態というのが望ましい訳ないよね、ってことです。
これらの作品に「友好国」に相当する存在が描かれてるかどうか分かんないんですが(ないでしょうねえ)、仮にそういうものがあったとしても戦時下のぎすぎすした雰囲気は減じないだろうし、事実上孤立無援という雰囲気の中で「がんばり続けてる」とすると、澱のように溜まっていく「敵ー味方」「こっちーあっち」という認識の積み重ねは、間違いなく個々人の判断能力を蝕みます。むしろ、国家の(ていうか世論の)それも。

平和にボケていたいですが、それが叶わないなら、せめて自覚したボケでありたいです。
「ならばこちらも」とかじゃなく…。
  • [2006/11/22]
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  • バルタザール@公演体制
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ウルトラが好き

『ウルトラセブン』第42話「ノンマルトの使者」に登場。 身長:170センチメートル 体重:70キログラム現代の人類の登場以前に地球で栄えた人類。その昔、現在の人類の登場により、海底へと住処を追われた。海底で平和に暮らしていたノンマルトは、海底にまで人類の魔の手が
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