OVERMAN キングゲイナー(その1) 

[2005/09/18] | 感想系 | トラックバック(0) | コメント(10) | TOP ▲

ようやくキングゲイナーを最終回まで見終えました。といっても、レンタルしてきた最終巻は3周しましたが、明日返すまでにあと1周は見たいと思っています。
WOWWOWで放送されたこの作品、当時大きなブームとまではならなかったようで、今も富野信者の一部でこそ絶賛されていますが、世間の多くの人はあまり関心を持たない作品でしょう。しかし、もし未見であれば、是非ご覧になることをオススメしたい作品です。
キングゲイナー

概要はこちらをどうぞ。
各話ダイジェストストーリーはこことかかな。

本当は絶賛したいんです。ブレンパワードには辛口の批評で、御大には厳しい採点をつけるここでさえも割と褒めてる作品です。だけど今回書くことは、少し辛口になっちゃうと思います。褒めるのって難しいですよね。不満な点はすぐ言葉になるけど。

簡単に流れを見ていくと、第1話、第2話あたりまでの印象は、正直「ふぅ~ん…」(笑)。物語の世界観は見えてきても、キャラクターの動きがまだよく見えてこない。どちらかと言えば少し“解せない”感じで、取っ付きがいい作品とは思えませんでした。(これ、初見の感想なので、一度ラストまで見通してから二度目三度目と見直したら、印象は違うのかもしれません。でも初見の印象というのも大事ですよね。)
ところが、だんだんとこれら個性的なキャラクターにも慣れてくるにつれ、私はみるみる物語にハマッていきました。キャラクターが活き活きと動いていて、彼らは割と意想外な行動をしてくれるのですが、それが不思議に納得でき、むしろ意外性を楽しめるのです。
中盤までの展開は、ブリュンヒルデの登場を頂点に、どちらかと言えば謎が深まるばかりの構成。でも人物たちはシベリアの広大な自然を背景に、解けない謎を苦にして悩んだりはしない(笑)ので、見る側も不思議な世界観がどんどん広がっていくのを案外おおらかな気持ちで見守ることが出来ました。それよりも一話一話、闘いも含めて日々の生活をたくましく生き抜き、エクソダスを楽しんでるとも言える、その個々の物語が実に心地よい!
主要な登場人物が最初から全部登場しないのもよかったですね。アスハムもそうだし、シンシアが出てきたときには「あっ」と思いました。物語がどんどんと膨らんでいく快感です。(予備知識をあまり入れず、先入観を持たずに作品を見るのはいいことですね。)
後半に入り、「ウソのない世界」あたりから少しずつ謎解きが入ってきますが、まだ頭はエクソダスの夢の中。ですが「カテズで勝てず」でエピソードがはっきりと暗く終わったのをはじめて見たときに、私は突然、物語の行く末に思いを巡らせはじめました…。
「天まで飛べ!」によりますと、

本作では富野氏はストーリーラインに大きく口出しはしていないらしく、若手脚本家達のバラバラなスジを、長年の経験で培ったセンスで物語としての帳尻合わせをする事に徹したのだという。つまり監督として独裁政権は取らず、1人1人のセンスを重要視してそれをまとめたのだ。

とのこと。「富野由悠季のガチンコ・アニメ道」なんてうまいことを言っておられますが、シリーズ構成の大河内一楼さんのような才能を見出し、実にいい仕事が展開されてきていると思いました。・・・ここまでは。実はここから最終回までの終盤は、ここまでとはちょっと異質だと言う気がするのです。

中盤までの展開では、ひとつのエピソードごとにほぼ起承転結がはっきりしていて、30分見るごとに“スッキリ”(笑)していたのですが、ここから(20話~最終26話)は、全体でひとつのエピソードと言いますか、最後まで見通してみてようやく一息つけるといったような連なり方になっています。
必要以上には物語のテンションを上げ過ぎないというのは、この作品の特徴のひとつかと思うのですが、ちょっとドライなストーリー展開が序盤から中盤までの、かみ締めるほどにじみ出てくる「味」になっていたと思うのですね。それは質的な完成度の高さと私には感じられ、この作品の評価を決定付けるポイントにもなりました。
ですが、息の長い終盤で、この作劇手法がうまく機能したかどうか。・・・残念ながら最後の謎解きパートの印象は、及第点ではありますが、ここまで高まった期待に対してはやや物足りないものでありました、私にとっては。

(この項続く

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コメント

> 未だに序盤でストップしてます

>全体でひとつのエピソードと言いますか

そういう展開は好きです。そろそろ見ようかな
しかし感想がちょっと気になりますね。「物足りない」ですか・・・
後半待ってます^^

> 先入観は、

なるべく持たないほうが (笑)
この程度ではありますが、「ネタバレ注意」と明記すべきでしたかね。
物足りなさは一言で言えば「御大らしくない」ということなんですが。
たまに真面目に書こうと思うと骨が折れる折れる。
相変わらず仕事は、めっちゃ忙しいのですけどね(自爆

> ちょびんちゃん

ブログジャンキーで来ました~♪
私はパソコン初心者なので色々と分からない事も多くって困っているのですが、ココはとても勉強になります!
こんな風にまとまったブログが作れるようになればな~;;
ブログジャンキーって問題点も多いと思うのですが、いろんなブログが見れるので私は好きです^^
また、来ます。がんばってください。

> い、いらっしゃいませ。

謎のお人、ようこそいらっしゃいました。

ここ、まとまって・・・ますかね?(苦笑
まあ“自分探し”みたいなことにはなっているかもしれません。好きなこと書いてるだけですけどね。
更新が滞っていても、アクセス解析とか見ていると、様子を見に来てくれる常連さんがいらっしゃるのが分かって、忙しくてもがんばって何か記事を書こうと励みになります。
投票とか、もし更新されてなくてがっかりなときでも、ひとつ参加して、帰っていってもらえば、と思って付けてみたりしてます。

こんな零細ブログですが、是非またお立ち寄りください!

> 最後のほうの話

こんばんは。

最終回で突然ゲイナーが自ら動こうとしない「老人叩き」を行ったの
には、違和感を感じました。あのシーンに時間をかけすぎず、
もっと簡潔に描かれていれば大河内さんの真のシナリオ「第4稿」が
使えたと思うのです(キングゲイナー・エクソダスガイドに掲載)。
富野さんは立腹するかもしれませんが、最後に氏が口出し
しなければ、若手がきちんと謎解きをしてくれたと僕は考えています。
ターンAにくらべて「御大」が元気になりすぎたのが逆に仇に裏目に
出た気がしました。

> 物語としての帳尻合わせ

ラジヨさん、いらっしゃいませ。
「第4稿」というのがあるのですか。ふーむ・・・。
私は謎解きは謎のまんまでも別にかまわないほうなのですが。

口ばっかりで動こうとしない五賢人に一言文句を付けておきたかった御大の気持ちも分かるけど、確かに。言われることは分かります。
終盤の物語がやや快活さを欠いたのは、最終回だけというより、そこに至る一連の流れだと思います。しかし実は、それを帳尻合わせのためというだけでは、今ひとつしっくりこないんですよねぇ。

> デビルの「ケンゾク」

最終回を訂正して、「最後のほうの3話」に改めます。大河内氏が
書いた第4稿は、そのまま使えば30分では尺が足りないので、
富野さんが引いてくれれば逆に「帳尻合わせ」ができたはずなのです。
もしあれが完成品なら、ムックに脚本を載せる必要はないのですから。

あと「キングゲイナー」が何故「オーバーヒート」という特殊なスキルを
使えるのか/デビルの「眷属(同類)」なのかが最大の謎のはずなのに
一切説明がないのは、かなり問題だと思います。
トミノだからなんて気にしないでアニメを楽しむ人だっているの
ですから、そういう人にも通用する作品に仕上げてほしかったと
いうのが僕と、おたくではない普通の友人の感想です。

> なるほど。

いきなり「オーバーヒートだ!」は確かに「?」でしたね。(まあ「オーバー・XXX」系の名称は、どれもこの世界での一般名詞なのか、特別な固有名詞なのか、その辺全般的にわりと不親切ではありましたが。)
富野マニアではない人にも通じる親切さがあるべきだというのも、仰るとおりです。
「第4稿」ですか・・・。『エクソダスガイド』はアマゾンでも在庫切れみたいですネェ。謎を謎のままにしておくのもファンに申し訳ないと思って、載せたものなんでしょうかね。放映分との相違点は、五賢人バッシングのほかにはどんなことがあったのでしょうか?

> 第4稿

五賢人バッシングは最終回よりもっと前、ゲイナーが氷の王子に
なってすぐでしたね。訂正します。「オーバーセンス」は非凡な感覚、
オーバースキルについては漫画版で説明があり、「メタルマッスル
エンジンとオーバーコートを組み合わせて発生する特殊な能力」
だそうです。

4稿では、シンシアのおばあさんであるマルチナ・レーンがシルエット
エンジンでオーバーマンを倒したり、シンシアの後押しでサラと
ゲイナーがきっちりくっつくエピソードがあったり、最後はみんなで
海に入って「ヤーパンまでこのまま泳いでして行っちまうか?!」と
ゲインが言い出したりと、ファンに対してもっとフレンドリーな内容に
なっています。

残念ながら「オーバー・ヒート」の能力に関する謎は解き明かされ
ませんが、最後だけ時間を45分もらってこっちで映像作って
ほしかったなと思わせる内容です。一言も書いてありませんが、
スタッフはみんな「本当はこっちでやりたかったんだ」と思っている
からこそ出版物で日の目を見せたのかな、とも思います。

> まだ職場で仕事だったりしますが(笑)

ラジヨさん、ありがとうございます。
「オーバー・XXX」の件は、用語の意味と言いますより、たとえば「オーバー・フリーズ」と初登場のときから登場人物の誰もがちゃんと名前を口にしますよね。突然出てきて、たぶん初めて見るものなのに、そういう扱いなので、この世界ではよく知られている「一般名詞」なのかな、と。
「リアル系」と言われるロボットアニメではよくある、お約束の疑問です。(本当は私はそういう細かいことは、あまり気にしていないのですけどね。)
「第4稿」は楽しそうですね。マルチナ・レーンの活躍ですか(笑)

ちょっと個人的に忙しくて、「下」を書くのには少し時間がかかるかもしれません。間が空いてしまったら、どうかご容赦ください。v-40

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