出崎統は演出についてかくの如く語った(後編) 

[2006/10/07] | アニメ全般な話題 | トラックバック(0) | コメント(0) | TOP ▲

 Gyaoで放映されている「オリジナルの肝」。出崎統監督がアニメの演出を語る対談(聞き手は高橋良輔監督)の後編です。相変わらず言葉は私の聴いたものなので、一言一句正確ではないのをご容赦ください。(→前半の感想

 「シナリオって映像を作るための契約書じゃないじゃん」というコンテ派の出崎監督に対し、「コンテでほんとは決まっちゃうじゃない?」という高橋監督はシナリオ派…なのか?
 「とりあえずシナリオどおりやれば繋がる。でも、それが面白いかどうかは別の話」「それで産業が成り立っている」「今のテレビのドラマって(シナリオから)ほとんど変えない」「ライターの力量が大きい」「ライターが絵のことまで分かって書いてるとは思えない」「じゃあそれがマイナスかって言うと、絵のことなんて分からないライターが書いてるほうがいい場合がある」…それぞれ矛盾したことを言っているように聞こえますけど、高橋監督はアニメの現状を冷静に見ておられますね。
 「それって可哀そうだと思わない?」「詩でもいいよ、俳句でもいいよ、“思い”さえ伝えてくれればあとはこっちでやるよ」とライターには言ってるんだといい、映像にしようがないよってものでいいんだって言う出崎監督。
 高橋監督いわく、絵描きが触発されるシナリオは、今の(大量生産?)体制では難しいらしい。なので高橋監督的には「最近は企画の段階で新しいこと考えてる」んだとか。へぇ~♪
 
 ここでガンバの映像が!でも短い!何故ぇー???

 アニメを見る(見せる)っていうのは「すごく個人的な会話」だと言う出崎監督。そこに可能性があるんだ、と。
 「スタジアムでみんなに見せてるんじゃなく、一人一人に見せている。」
 なるほどなぁ~。この感覚は私、すごく好きです。(もしかしたら今の時代には合ってないのかもしれないような気もしますが。)

 高橋監督から見た出崎アニメは、イメージ的には(映像の)演出が鋭いだけに見えるけど、実際には「“情”が先に立ってるほうが面白いよね」とのことで、「虫プロ出身者で演出のテクニックに影響を与えた、もしくはライターに影響を与えたのって出崎統と富野由悠季が一番大きい」とも。情念をどう映像に固定していくかだね、と本人も同意。
 テレビアニメーションならではの演出の技法は「おさむちゃんが発明したものが多い。」あるいは「富野言葉が蔓延して、みんな真似している。」…「尊敬するのと真似するのは違うだろう」「人の記号を真似するなよ」「なにか自分でひねり出せよ」…ずいぶん熱く語っているなぁ、りょうちゃん。(笑)

 そういう“独自のもの”が生まれてくる秘密。
 「情念をどう出そうか、としてるときに、当たり前の画面だと伝わらない」「そこに今までの流れとは全然違う画面を(音も同時にあるんだけど)」「理屈で考えてるわけじゃないけど、そのときにけっこういろんな手法が出てくるよね」「そうじゃないと見てる人と自分の“間”ができない」
 「絵コンテ描いてるときって、そこが現場だから」「そこへ立たないと絶対出てこない」「そこへ立って出てくるものじゃないと見てる人に伝わらない」という出崎節。いいなぁ、この人の語り!
 
 作画監督との付き合い方について。「少なくとも僕の絵コンテを読める人」は最低限として、それでも監督とはまた別の、その人の個性や感じ方がある。「自分が描けないもの描いてほしい。」
 現場が弱い中っていうだけじゃなくて、感じ方の違いというのはあって、でもそれで演出がガタガタになるぐらいだったら、「それはそれまでのもの」。そういう中から「いいもの(接点)を活かしていこう」「それがひとつの作品の中でいきいきしてればいい」という言葉もいいなぁ。
 「喧嘩したり罵りあったりしても、こいつ以外にはそういう関係になれるのはいないな」と思える出会い、ですか。いい話だ。(高橋監督、うらやましそうです。 笑)

 「おさむちゃんのオリジナリティ」という質問に対し。
 「作品選ぶなよ」「出会ったときにどれだけ出来るかが本来の仕事」「雨に打たれてるダンボールの中に子犬がいる、みたいな状況でしょ?」「作品と出会ったということに宿命的なものを感じて、どれだけのことが出来るか」「自分の知らない面が自分の中から出てくるかもしれない」

 「演出はそうなんだ…。」高橋監督の確認にうなづく出崎監督。この道曲がって何が出てくるかなんてやってみなきゃ分からない。

 対談を振り返ってみて、「才能だけで突っ走ってきた」と思っていたけど「思ってた以上に“純情”が入ってたね」と高橋監督。

 「まぁ生きてる感じすりゃ何やってもいいよな!」
 かっこいいなぁ、出崎監督!
 今回は私には、けっこうしびれる対談でした。放映は10月13日(金)の正午までです。お早めに!



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