表現のインフレ、慣れ??? 

[2006/05/14] | 雑記 | トラックバック(0) | コメント(3) | TOP ▲

「一番怖いのは妖怪でも幽霊でもなくて、普通の人間だ」


 説得力あるなぁ。(笑)
 そうですね。イデオンは人間の「業」を思い切り描いた作品でしたものね。

出発が演出とアニメーターの差ってあると思う。


 かなりそれは思いますよね。ナウシカで巨神兵を描いた庵野さんでもそうだし。気持ち悪いビジュアル、もう少し言うと心象的なものを描くビジュアル。そうしたものを表現する上で、アニメというものの可能性を一番知っているのがアニメーターだということなのか。

大なり小なり、全てのアニメ作品に当てはまる事なのではないか、と僕は思います。


 まさに言われるとおりなので。整理の難しいところです。
 アニメというのはどうしたって、絵から伝えられるディティールを含めた情報量というものは実写より少なくなる。だから声優さんたちがオーバーアクションなのも、絵だけでは表現しきれない情感を伝えるには、そうせざるを得ないんじゃないかと思うのです。
 ただ、表現というのは情報量だけの問題ではないので、逆に限定された情報量の中でこそ伝わりやすいものがあったり。

 作画をする人の立場からすると、持てる技術の限界に挑戦してみたくなる、というのは分かる。でもアニメの絵が実写の絵が持つ情報量に迫ったとしても、ただそれだけなら私はあまり意味を感じないのですよね。ほんの個人的な好みかもしれませんけど、アニメならではの動き方を見せてもらわないと。(「絵空事」の面白さですよね。)

 もののけ姫の「ぶにゅぶにゅ」気持ち悪い表現は、表現としてすげぇと思うんです。あんなグロい絵ヅラなのに、大衆の支持を受けているんだから。(大衆というのは深層心理の底では、案外グロいものが嫌いではなかったりするのかもしれないとも思う。)

 王立宇宙軍もそうでしたが、もののけ姫も声優ではなく俳優さんが声をあてていて、それは商業的な部分を除いて考えれば、絵の情報量に自信があるから声優さん的なオーバーアクションを必要としないという意思(あるいは判断)を表している面があると思います。しかし「ぶにゅぶにゅ」に命を懸けたのと同じぐらいに、人間の表情やしぐさでそういうことまでが本当に表現できているのだろうか、という「?」は残っています。
 作り手の側の「表現のインフレ」という問題、受け手の側の「表現への慣れ」という問題は表裏ですね。その中で「絵空事」を描いている意味みたいなことが互いにあいまいになってきてしまうと、形式主義の罠の中に入っていってしまうような気がしています。
 すみません。技術的なものが発展することはもちろん凄い事なんです。ただ、人々の生に密着していた「芸能」が、権威化する中で様式化を推し進め、「伝統芸能」という得体の知れないもの、特殊な人たちだけが楽しめる不思議なものになっていってしまうようなこと。
 問題意識はあるんですが、どうも上手くまとまりません。

関連記事

コメント

> 私はそれほど

「もののけ姫」が表現できてるとは思えないなぁ・・・。一言で言うと、バランスが悪い。
ボイスアクターのオーバーアクションは、アニメーション表現の中でキャラクターのデフォルメとバランスを取るため。ボイスアクターを「ふつうの演技調」で演出するのであれば、アクションそのものもそうバランスを取る必要がある。それはグロ表現も同じ。
もののけ姫はそのバランスが「極端に悪い(たぶん、ジブリ作品では最悪のバランス)」。声と絵が乖離しているようにしか見えないんですよ、私には。
オネアミスの翼が例に出てましたけど、私はまだあちらの方が「トータルバランスはいい」と思います。もののけ姫は「もっとアクションを押さえるか、声をハッチャケさせるかどちらか」に振る必要があったと思う。千と千尋~ではそれほどバランスの悪さは感じなかったんですけどね。はい。

> そういえば

もののけ姫を久々にみて、もののけ姫の声が妙に印象に残らないなぁ、なんて思ってしまった。宮崎監督は絵コンテの段階で作品が完成している方なので、どちらかというと絵が主で、その他は従になるのかな?

あと、著名な役者さんを選ぶのは保険という意味もあるのかもしれません。映画の場合、1回勝負で時間がないから役者さんのカラーも多少利用しようという部分があるのかも。

そういえば声優選びについては富野監督のキャスティングって面白いですね。

> トータルバランス

については、スカルさんのご意見になるほどです。アニメ作品としての視点で見ると、そうかもしれない。
それではなぜ、自分は
>声と絵が乖離している
と感じなかったのか、なぜこの「アニメ」を実写作品のように受け入れたのか、
自分の中の受容の仕組みを明らかにして行く事が必要であるみたいです。ありがたい視点を頂戴しました…。

わんこさんの
>もののけ姫の声が妙に印象に残らない
というのも同意見でした。
この話はタイトルに反してアシタカヒコの物語なんですが、それにしても、サンの立ち位置は明確になりませんねえ…。


そして、
>大衆というのは深層心理の底では、案外グロいものが嫌いではなかったりするのかもしれない
という囚人さんのご意見には、実はものすごく共感するのです。
「来週の上映作品」にしてからがまさしくそういう類いのものでしたし、そもそも、モンスターものは洋の東西を問わず(西の方が顕著か)、時代が下るにつれて粘液の分泌量が増大しておるように思えてなりませんねw

ただし、個人的にはグロいものに娯楽性を感じられないので、ちょっと他人事扱いw
「もののけ」や「ナウシカ」のグロ表現についてはやむを得ぬ必要条件と受け取っているのですが…。

コメントの投稿















管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

この記事のトラックバックURL
http://zmock022.blog19.fc2.com/tb.php/337-1792faf6