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王立宇宙軍 オネアミスの翼 (1987年) 

[2006/01/27] | 感想系 | トラックバック(0) | コメント(6) | TOP ▲

気まぐれで「王立宇宙軍 オネアミスの翼」を借りてみました。感想にてこずっていたと言うのは、この作品のことです。

架空の星にある、オネアミス共和国の宇宙軍。うだつの上がらない若者たちが、初の有人ロケット打ち上げを目指すために奮闘するアニメ映画。異世界の描写、緻密なアニメート、坂本龍一の音楽などで話題になった。
ガイナックスは、この映画のために作られた制作会社。


はてなダイアリーの記述はあっさりしたものですが、作画スタッフは分かる限り名前を挙げているようです。

GAINAXの公式ページはこちら

ガイナックスの記念すべき初制作作品。バンダイの映像事業進出の第一歩として企画された映画であり、制作費8億、音楽には坂本龍一を起用とするという異例の大作でした。この映画を制作するため84年に設立されたのが、ガイナックスなのです。
監督の山賀博之をはじめ、メインスタッフのほとんどが当時20代、商業アニメ作品の制作経験もほぼ皆無。しかしこの作品の作画レベルは、当時の水準を遥かに凌駕するものとなりました。
それ以上に驚異的であったのは、アニメ映画の常識を覆す徹底したリアルな描写です。作画の緻密さもさることながら、オネアミス王国という異世界の精密な設定、そして決してヒロイックではない、等身大の主人公たち。その圧倒的なリアリティによって、アニメ映画という枠を超えて高い評価を受けました。



外堀ばかり埋めて申し訳ない。・・・お好きな方には申し訳ないのですが、私はこの作品、正直あまり楽しめなかったのです。楽しめなかった作品のことも書くべきなのかどうか、少し悩みましたが、あくまで個人的メモとして、思ったことは書き留めておきましょう。あまり作品のディティールに触れる話ではないので、重ねて申し訳ない。

嫌な人はここから先は読まないでください…。

気まぐれにしても、何故ビデオ店でこの作品を私が手にしてしまったか?…思い出してみれば、たぶんとても単純です。
最近読み返した小説版『機動戦士ガンダム』(角川スニーカー文庫)の第二巻に岡田斗司夫が書いた「あとがき」が頭に残っていたのです。その中で、富野さんがオネアミスを褒めていたと書いてあった気がしました。

・・・その部分を読み返してみました。御大いつもの「ぼくは『ガンダム』なんてやりたくないの!」発言の合間にそれはありました。

『オネアミス』ご立派でした。でも『ガンダム』は作品じゃないの。あんな立派な作品じゃないんです。


うーん、これやっぱり褒めてるんですよね? 少し考え込みました。で、その少し後を読んでみた。少し長いけど引用。

もちろん僕はそれを知っているべきだった。富野監督は、同じアニメ界の者として僕に矛盾した言葉を投げかけてきたのだ。それは言葉として矛盾していても作品の中でテーマ的な繋がりをもつ。本来は観客が聞くべきではない叫びである。観客は作品内でクリンナップされた発言を聞けばよい。


なるほど、オタキング岡田氏の言うことには納得がいった。しかし納得できない部分はそのすぐ続きに記されていた。
「しかし、このページを見ている君も僕も、すでに観客ではない。」

そう。言われてみれば、この解説文には、確かに書き出しのところに踏み絵があった。

もし君が、あのいわゆるアニメファンではなく、たまたまガンダムの原作本を読みたいなと思ってこの本を買って、このページを開いているなら、もう読むのはやめなさい。・・・もし君が『ガンダム』に関して、あくまで一人の観客でいるのならば、この本はここまでと思うことだ。


オタキング先生は、「いわゆるアニメファン」は「一人の観客」とは違うとおっしゃっているらしい。そして同じアニメファンという前提の下にこう言っている。
「君と僕は、この富野監督の発言を聞いてもいい世界にいる。すなわちそれはアニメ界というムラだ。」

…少し作品の話もすれば、例えば名高いクライマックスのロケット打上シーンの作画は、さすがにあの庵野さんが精魂傾けたと伝えられるだけあって、すごいと思いました。
「なんだろ~な~、このストーリーは?」という怪訝な思いも、ちょっと調べてみて、ここの解説なんかを読んだら、「ふーん、なるほどね~」と思ったりしました。

ヒロインがいわゆる「宗教女」でしかも可愛げがない。そのうえこ難しい文明論めいたものまで出てくる。物語としては「落ちこぼれ集団のサクセスストーリー」という「よくある」話でさしてどうこう論じる筋合いのものでもなかろう。


・・・いや、なるほど。悪いですけどそうかもね~…と油断して読んでいたら、

しかしとかくストーリーの巧拙や表層的な”テーマ”を論じていれば事足れりとすることが、映像に対る言質を著しく低いものにしているのである。


…と痛い一発を食った。そうか、私は低レベルだったか…。
皮肉ではなしに、この人の映像論、アニメ論は大変面白い、示唆に富んだものだと素直に感服しました。(とても丹念に作品のディティールに言及しておられるので、未見の人には難解かもしれないですが。)

映画においても「物語」は必然ではない。しかし、現実には映画の場合「物語」との共存は続いている。とりわけ、アニメーション映画はその情報量の少なさゆえに、実写以上に「物語」に依存し、それを一つの様式として定着させるまでに至った。


『王立宇宙軍』は可能な限りそれに「抵抗」してみせた作品として、「映画(の物語)の成立」ぎりぎりのところを追求したのだと言われれば、作者たちがやりたかったことも、ふに落ちました。

たかが一介の商業アニメーション映画」に「物語の放棄」など求めるのは間違っている。
むしろ、「物語」の危うい時代にその「不安定さ」を見せつつ、「物語」への(そして「アニメーション映画」への)オマージュを隠さなかったことを筆者は素直に認めたいと思う。


この「構造の一致」は、『王立宇宙軍』が見た目よりもはるかに深く強固に作られていることを示している。。そして、この映画の作り手たちが「高度な情報量を持ったアニメーション映像」という形式を使って語りたい「物語」に、きわめて自覚的だったということを雄弁に物語っているのではないだろうか。


すごい!なるほど、そういう風にみればいいのかと、大変勉強になりました!!(これも皮肉ではないです。)

・・・ところで、このすばらしい考察にも、あとがきが付いている。

この文章を最後まで読んだあなたは、きっと『王立宇宙軍』という作品にそれなりの意識を持って見ているはずだ。(そうではないけれど読んだという人がいれば……ご苦労様です)


・・・大変残念だ。どうも私はご苦労様と労われてしまったらしい。

気まぐれではあったが、この作品を観て、私はとても良かったと思っています。何故なら、私にもひとつのことがよく分かったからです。
私はアニメ村の住民ではなく、
「一人の観客」であるらしいということが!

オタキング先生の言い方からすれば、この時点で私は「アニメファン」失格であるらしい・・・。
そうだ、「同じアニメ界の者」として、富野監督はオネアミスを「立派」と言ったのであったのに、違いないです。そして、その立派さに打ちのめされなかった時点で、私は「アニメ村の住民」の資格を失ってしまったらしいのです。
なるほど、私という人間は、アニメ村の歴史や地誌に多少の関心はあっても、アニメ村の住民そのものでありたいと念じたことはなかったかもしれません。
でもオタキング先生、ちょっと巧妙だと思いました。「アニメファン」という言葉のハードルはとても低い。「そうだ、私もアニメファンだ」と、つい思ってしまう。思わせておいて、「アニメファンだったら、このぐらいの話にはついてこれなきゃ駄目だ」と、いきなりハードルが上がってくる。なんではじめから、「アニメおたく」って言ってくれないんだろう。そうしたら少しは警戒して読んだだろうに…。

もっといろいろ思ったこと言いたかったことはあるはずなんですが、とてもじゃないがうまく言えません。私はダメな人間なのかもしれないです。
例えば富野監督の言うことにしたって、「ムラの住民」に向けて言っていることと、「一人の観客」に向けて言っていることの間で、厳密に区別がなされているのか、よく分からない。けど、それらが混在しているという気はするんですよね。だから御大の言うことは分かりにくいのかもしれない。けれども、少なくとも、「ムラの住民」に向けてだけ言葉を発することはしていないような気が私にはするんです。

もうひとつ分かったこととしては、これからは「アニメファン」という言葉を使うのにも気を遣わなきゃならないらしいということ。「一人の観客」でありたいと思う私なんかは、「ただのアニメ好き」ぐらいに言っておかないと駄目なのかもしれないですね。

ただアニメが好きなだけの一人の観客が、これ以上何か言わなくてもいいかもしれないけれど、・・・この作品が「アニメで育った世代」が実際にアニメの制作に携わった最初期の例として語ることができるのであれば、これは「アニメ村」の中でだけ通用する言葉なり価値観という問題を、強く投げかけてくるという意味でも重大な問題作だったのではないか、という程度に素朴な感想を書き留めておきたいように思います。

・・・いや、ほんといい作品なんです、たぶん。
ただ、観客を選ぶな、この作品は。
私は選んでもらえなかった、残念。…以上。
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コメント

> オネアミスはつまらない。

「プラネテス」がアニメで登場して、僕の中で一気に評価が下がった
作品です。なぜなら作画の美しさと世界構築/設定の緻密さを取り除い
たら何も残らない作品だからです。僕は岡田氏の批評眼を信用して
いません。言葉でものを考える人が引っかかりやすい語彙をマスター
していて、それでステータスを獲得している「言語錬金術師」だからです。

彼がアニメ好きなのは間違いないでしょうが、本当に「愛している」人
は自分が愛している者をダシにしてお金を稼ぎません。オネアミスを
見るよりは、ジェームズ・キャメロンが「TVの時間尺」を使って製作
した「ダーク・エンジェル」をお勧めします。おそらくニッポンのアニメが
大河ドラマ的に時間を使って大きな世界を構築していることを意識して
作られたからです。

> 綺麗な作画

けど、ライトスタッフの実写を観ればそれで
事足りるのでは?…当時の感想です

現代に例えるならキャ○ャーンの感想とほぼ同じ
・・・PVじゃんって

> オネアミスの翼

って、本当に「異世界アニメ版ライトスタッフ」なのかなぁ。綺麗な作画にしか価値がないかなぁ・・・。私はそうは思わないな。
ちなみに私はこれを「ビデオCD(!)」で買って、何度も見ました。今でも時々見ますよ。ビデオCDだから、画質は劇場やDVDなどと比ぶべくもないのだけど、それでもいささかも「つまらないとは思わない」。

森本レオの演技が今一なのは、今でも時々思うけど(笑)。
あ、でも、誤解しないで。つまらないという意見も解らなくはないから。確かにとってもマニア向けの作品ですよね。

> 面白いとは思わないけど

どっぷり浸かっていたい作品です
久しぶりにLD引っ張り出すかな

> やっぱり問題作?

速攻でコメントの嵐・・・ありがとうございます。
しかし今回も多少、意見が割れますね・・・。
続きをまた書いてみましたので、よろしくお願いします。
 ↓
http://zmock022.blog19.fc2.com/blog-entry-169.html

>

スカル様、感想は当時の物なので
今見直すとまた違ったものになるかもしれません

これを観た当時は板野サーカス・マクロスを追いかけていたもので
とにかく動き・作画について興味のあった頃です

ですからその動き・作画の印象が強いので
肝心のお話が記憶が乏しく先のコメントに繋がりました

だったら亀レスすんな>はいf(^-^; ポリポリ

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