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『機動戦士Zガンダム』 第49話 「生命散って」 / 第50話(最終話) 「宇宙を駆ける」 

[2009/09/03] | 感想系 | トラックバック(0) | コメント(2) | TOP ▲

 テレビ版『Zガンダム』の再見日記も、ようやくラストにこぎつけることが出来ました。書きはじめたのが昨年12月ですから、何度も中断を交えながらとはいえ、足掛け10ヶ月がかりですか。w

 個人的にテレビ版の『Zガンダム』という作品にはいい印象はなかったんだということを、最初の頃にも書いていたはずですが、富野ファンですから何とか良さを見出そうと思いながらここまで見てきて、最後の最後に頓挫していたわけです。何度見直しても、この「fin」の打ち方は私には受け入れられません。ならば・・・第一印象に正直に、この作品は富野アニメの系譜の中でも最悪に近い失敗作と言わねばならないのでは、というのがこのところの苦しさでした。

 最終盤の戦局は、トンデモ兵器であるコロニーレーザーを巡る三つ巴の攻防戦。ティターンズが建造したそのグリプス2は、アクシズを経て現在はエゥーゴが掌握している。考えてみればエゥーゴは、戦略的脅威となる超兵器を守りきれない見込みが高いのならば、二度と使用できないようにそれを破壊してしまうという選択肢もあったはずです。(グラナダという急所を抱えたエゥーゴに比べ、ティターンズにもアクシズにも、“ここを撃たれては終わり”という目標はないのです。)
 なぜそういう可能性が検討されないのか。ブレックス亡き後のエゥーゴのリーダーは(曖昧ながらも)シャアですが、シャアはといえば、実はシロッコが喝破したように「その手に世界を欲しがっている」男だったからではなかったでしょうか。

 アクシズのモビルスーツ隊は、ジュピトリスの撃破を目指して発進したんですが、見境なくシャアによって掃討されています。(こういうところはちゃんと描かれているんですよね。)以後、シロッコとハマーンがシャアを集中的に叩いたのは、この男こそが危険極まりない人物と判断されたからでしょう。コロニーレーザーがついに発射されてティターンズの主力艦隊が消滅したときに、ハマーンがアクシズの艦隊を戦場から遠ざけたのは、結果から見れば非常に妥当な判断でした。事実、シャアが行方不明になった後のエゥーゴは、コロニーレーザーをそのままにして戦場から撤退していますし、この超兵器はその後の戦局に大きな影響を与えていないようです。
 バスク亡き後、コロニーレーザーに一番固執していたのはシャアであり、(やはりシロッコの指摘したとおり)それは冷静さを欠いた判断だったんでしょう。

 何でこんなことになってしまったのかと言えば。『Zガンダム』の当初の構想に従い、(劇場版として別に製作されることになった『逆襲のシャア』までを含むはずだった)本来の物語のあり方を想像するならば、主人公のカミーユが最後に倒すべきラスボスは、実はシャア・アズナブルその人だったのではなかったでしょうか。
 『逆襲のシャア』そして『ZZ』の製作を受け入れてしまった時点で、それに代わるラストが富野監督にイメージできていたのか分かりませんが、出口を見失った物語はつらいですよね・・・。

 結果として既にジャミトフもバスクもいないこの時点では、ただ戦いの亡者として戦場に留まっているようなジェリドやヤザンなどとの遭遇戦なんて、限りなく不毛な消耗戦でしかなくて。そんな中で死んでいくカツもヘンケンも、全く浮かばれません。

「こんな死に方、嬉しいのかよ。満足なのかよ。誰が、誰が喜ぶんだよ!」

 「生の感情丸出しで戦うなど」とシロッコは言うけれど、では「指導する絶対者」の資格とは何なのか。シロッコに従って戦場にいるはずのレコアを見れば、彼女とエマの戦いは「生の感情」がぶつかり合った悲劇そのものですよね。その悲劇を止めようと叫んでいるのはカミーユだけで、シロッコもハマーンも、そしてシャアも(半ば面白半分に)覇権を争っているだけ。
 でもカミーユが感じたのは、もっと本源的に、生命こそが宇宙を支えている力であり、その生命をこんなふうに簡単に失っていくのは許せないということ。この感じ方から得た力をアニメ的に表現すれば(評判の芳しくない)“ハイパー化”になったということですね。こういう超常の力をガンダムで扱うのは似合わんという説には私は反対。ファーストガンダムの最後でアムロが示した洞察力だって普通に超常の力でしょう?ただそうやってケチを付けられるのは、物語の説得力が弱いんでしょう。

 その力の発現の場に居合わせたエマも生命が力だということを感じ、消え行きつつある自分の生命もカミーユに託したいと願った。エマの遺言「戦いを終わらせる」ことは“宇宙を支えている力”の本源的な願いでもであり、それだけをカミーユは目的とすればよかった。

 モビルスーツ戦でもシャアはボロボロでしたが、劇場での論戦でも全くいいところはなく、「世界の都合というものを洞察できない男は排除すべき」と断じられる。ビジョンもなく権力だけを求めているのだから、仕方ないですね。そこへ割って入ったカミーユは「本当に排除しなければならないのは、地球の重力に魂を引かれた人間達だろう?けど、そのために大勢の人間が死ぬなんて、間違ってる!」と。

 これ、劇場版だと「本当に排除しなければならないのは、地球の重さと大きさを想像できない、あなたたちです!」なんですよね。「あなたたち」の中にはシャアも含まれていると言っていい。
 テレビ版で「あなたはまだやることがあるでしょう!この戦争で、戦争で死んでいった人達は、世界が救われると思ったから死んでいったんです。僕もあなたを信じますから!」なんてのは、カミーユもシャアに依存しちゃってる。劇場版の「あなただって、やることがあるはずです!」ぐらいでたくさんですね。

ガンダム30thアニバーサリーコレクション 機動戦士ZガンダムIII -星の鼓動は愛-<2010年07月23日までの期間限定生産> [DVD]

 (前にも白状しましたが)今回の再見では、劇場版を見るのを禁じ手にしてテレビ版だけの感想を書きとめようと、ここまで耐えに耐えてきたんですけど、最後の一巻を繰り返し観ているうちに、矢も盾もたまらなくなって、思わず『星の鼓動は愛』を再生してしまいました。
 誤った指導者によって破滅へと導かれる「赤色十文字」の光というのが非常に象徴的なんですが、テレビ版に比べてシロッコの独善的な選民思想というのが明確に印象付けられていて、シロッコを倒すことで物語がきちんと閉じています。

 テレビ版の感想からはそれてしまいますが、『星の鼓動は愛』がいかに丁寧にテレビ版の終わり方を受けていたかというのに気づけば気づくほど、長い年月を経てこの物語がようやくきちんと結末を迎えることが出来たことに感銘を覚えます。
 付いたり消えたりしていた大きな光は静かになり、バァーって流れる彗星は銀河の彼方にまで去り、シロッコはカミーユの精神ではなくジュピトリスを道連れにして女たちのところへ戻りました。
 「生命を持たない意識体としての存在としてはあるかもしれないが、そういう自分を想像したくない。リアルに女性に触れたいわけだ(笑)」というのが実はファーストガンダムの最後でしっかり描かれていたことを再確認して、テレビ版のZガンダムと劇場版のZガンダムのラスト(「ファだけは幻でもなければ意識だけの存在でもない」)を見比べると、何ともいえないものを感じます。
 劇場版だけを観ていれば、ラストのあそこにロザミアがいるのはミスなんですが、分かってて入れずにいられなかったんだろうな、と。どうも納得させられてしまいました。

 あまりいい感想になりませんでしたが、『新訳Z』を経てきた今だからテレビ版を見直せるという自分のカンは、もちろんひどく個人的な実感ですが、もういやになるぐらい当たってました。
 『Zガンダム』に関しては、これでようやく、ずっと封印してあった小説版を手にすることが出来ます。今はとりあえず、ああ、やっとクリアしたという、そういう思いしかありません。

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コメント

> シャアはな…

一~番古いZ、まあ大ざっぱいえばギャザー・スタイム版では、シャアは死にませんし、カミーユはやはり自ら犠牲をし、シロッコを倒したというものですし、「シャアがカミーユを悪の手先に~」云々の話でも、カミーユはついにシャアと衝突することはなかった。だからなんだ、といわれても困りますが、ただカミーユも気の毒だなぁくらいの感想しか浮かばないんですけど…。


>ずっと封印してあった小説版を手にすることが出来ます。
やった!やった!ようやく囚人さんの小説レビューが見れますね。とても楽しみにしてます。伺いたい話はいっぱいありますから^^

> まあ「フィルムがすべて」が原則ですから、

「本来は~~だったはず」みたいな話はおおむね不毛なんですけどね。ただ失敗には(&『新訳』にも)理由があるはずだと考えてみたところです。
さすがkaito2198さんはお詳しいので、『Zガンダム』構想の系譜など、いつか教えていただければ幸いです。

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