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安彦さんと富野さん、そして『機動戦士ガンダム』 

[2007/11/28] | 随想系 | トラックバック(0) | コメント(4) | TOP ▲

 今日は代休をもらったので、床屋へ行こうかとか、そろそろ冬タイヤに替えようかとか、いろいろ思っていたはずだったんですけど、結局うだうだと一日ネットを巡回してしまいました。

 その中で、グダちんさん安彦さんの対談を聞きに行かれたメモなんかを読み返してみて、面白かったところを少し文字起こししてみたりしました。

  • ガンダムとマクロス以後の違い/雑念や混じりけがなくなっていく/1stガンダムは雑念があった
  • 今は分業が当たり前で、緻密な背景がある。しかしそうでないといけないというわけではない。空気感があればよい←→書き込まないと読者は分からないんじゃないかという強迫観念
  • 富野とはパーティで挨拶するが、ちゃんと会うのは7年前のオリジンのとき以来。「書きますよ」「うん、俺も読みたい」そんくらい。
  • やっぱりSEEDとか、美形っていうのは変化を付けにくいんですよ。だから今のシリーズでは美形ぞろいだから変化できないんじゃないかな。

 最初のは、グダちんさんが“人種の描き分け”のようなことを質問されたら、回答がずれた方向へ行ったそうなんですけど、傍目にはこれも面白いです。

マクロスは食わず嫌いで見てないそうだが、マクロスはおたくが描きたいモノを描いているだけで、自分たちのようにアニメ界を変えてやろうとか、社会に一泡吹かせてやろうという「雑念」がなく、ただただ欲望をピュアに造るようになったと思う。
というお話。

・・・っていうような部分は、個人的に最近、『愛・おぼえていますか』を見たりして感じたこととも重なって、すごくなるほどと。
 最近、『ヤマト』でも安彦さんがコンテや原画を描いていたんだよなぁと改めて意識したりして、たぶんもう少し若い世代の人にとっては(アニメーターとしての)庵野さん的な絵が重要だったりするように、自分にとっては安彦さんの絵というのは原体験的に刷り込まれている部分があって、その安彦さんがアニメ業界を離れていったことというのは、ものすごく重い出来事だと再認識し始めているところだったりします。

 もう一つ。とぼふさんが、何気なく5年ほど前の文章を引用しながら、さらっと現在のアニメの「バラエティ番組化」について書かれた文章を読んで。引用もとの文章(「映画的」ということ)も、とぼふさんが昔に書かれた文章なんですけど、これが読み応え満点なので、超オススメ!すばらしい。
 それで、長浜忠夫、出崎統、高畑勲、宮崎駿、富野由悠季、押井守、細田守、庵野秀明、といったアニメ作家たちの流れを簡潔にまとめた内容はいちいちうなづけるもの(必読!)ですが、安彦さんの話の流れで、富野さんと安彦さんの関係に触れた部分をここでは引用します。

『ガンダム』が成功したのは「安彦良和」という優れたアニメーターがいたからです。これはちょうど高畑氏と宮崎氏との関係と似ています。
ですが、安彦氏も「絵描き」でありながら演出家指向が強く、富野氏とのコンビは『ファーストガンダム』以降続きませんでした(『機動戦士Zガンダム』(1985~86)や『機動戦士ガンダムF91』(1991)では安彦氏はキャラデザインのみで作画には参加していません)。
そのことが決定的だったかどうかはわかりませんが、実写でいうところの優れた「カメラマン」を パートナーに出来なかったという事実が、富野氏を独自の方向へと向かわせます。
それは「絵コンテ」ですべてをコントロールしてしまおう、という傾向です。

 あー、すごい。「ちょうど高畑氏と宮崎氏との関係」とか、すごくなるほど。

元々映画系志望だっただけにリミテッド・アニメとは指向が違っていたと言われ、安彦良和によれば「画を描く手間を考えない『真面目にやっているのか?』というコンテ」、湖川友謙は「動かす意欲を刺激する良いコンテ」と、良くも悪くも平均点でないコンテを描いていたようだ(現在でも癖の強さは変わっていない)。安彦の回想では、画面の奥の方で関係のないキャラクターの芝居が入っているなど、処理に困るシーンがあると現場で適当にカットしていたそうである。それでも特に文句を言ってこないため「軽い演出家」との印象を持っていたが、ガンダム製作時に膨大な設定を持ち込むのをみて考えを改めたという。

 Wikipediaの富野由悠季の内容は、なんか論争が絶えなくて始終内容が書き換わってますが(笑)。
 富野さんの絵コンテ志向については、私は“虫プロ”というその出自よりも、“タツノコ”系との親和性とか印象を持っています。「画面の奥の方で関係のないキャラクターの芝居が入っている」みたいなところに、先の話で言うところの「雑念」がこもっていたりもするような気がするんですけどね。

確かにこの作品、誰が見ても文句のない傑作だし、良くできた作品でもある。また、その後の日本映画に与えた影響を考えるととてつもない功績を持つ作品でもある。しかし、同時に大きな「罪」も残してしまったんではないだろうか? 「罪」とはあまりにも出来が良すぎたことである。そしてあまりに出来が良すぎたためにその後の怪獣映画や特撮映画にも大きな影響を与えてしまい、その表現や内容の可能性を狭めてしまったんじゃないかと思う。

 これは実は『ゴジラ』(1954年の最初のゴジラ)について書かれた文章なんですけど、ここでいう“映画”なり“怪獣映画”という言葉を、仮に“アニメ”や“ロボットアニメ”に置き換えてみると、『機動戦士ガンダム』という作品にもよく当てはまる部分があるような気がします。
 「『ガンダム』が成功したのは「安彦良和」という優れたアニメーターがいたからです」というのは、たぶん真実だと思うんで。アニメーターとしての安彦さんの挫折というのは、(挫折といったら怒られるかもしれないけど、)重要なターニングポイントなんでしょうね。

 とぼふさんの“「映画的」ということ”は、「物語性」と「演劇性」について述べて終章としていますが、“その二つを組み合わせて「作品」を作るということはとても難しいこと”と述べられた内容(特に「演劇性」の部分)を富野さんはその後もたゆまずやり続けているのではないかと思うのですね。・・・ますます日本のアニメが「バラエティ番組化」する中で、『ガンダム』のようなタイミングに恵まれることもなく、そうした富野監督の試みは時代に受けるものにはなりにくいわけですが、それでも私はやっぱり好きだなぁ。
 たかがサブカル。社会に受けてナンボという事実は厳然としてあるのですが、“アニメ界を変えてやろうとか、社会に一泡吹かせてやろうという「雑念」”を、安彦さんや富野さんが共有できなくなってしまったというのは、それはやっぱり残念なことだと思われてなりません。

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コメント

> アニメ史における『ガンダム』

>(アニメーターとしての)庵野さん的な絵
庵野さん→貞本義行さんでしょうか。庵野さんの作画というと『ナウシカ』の巨神兵が飛び抜けて有名ですが。貞本さんは安彦さんの直系だとわたしは思います。

誤解を恐れずに書くと『ガンダム』はアニメ史の中でそれほど重要ではないと思います。好き嫌いは別にしてアニメの保守本流は『アンパンマン』『サザエさん』『クレヨンしんちゃん』などのファミリー路線です。とくに『クレヨンしんちゃん』は重要だと思います。

「バラエティ番組化」というとすでに70年代に久世光彦さんらがTVドラマでやっています。文学で言うと『トリストラム・シャンディ』が古典です。《語り手トリストラムが読者たちと対話するなどメタフィクション的な仕掛けに富み》(Wikipediaより)。

>

庵野さん、というのは、少し以前の作品の原画クレジット等をぼんやり見ていると、「おや、こんなところにも○○さん」というイメージで、私の世代の安彦さんに対してもう少し若い人は誰なんだろう、と思って、深く考えずに書いてしまいました。
うまく言えませんが、“キャラクターデザイン”という意味ではなくて、“絵のこだわりどころ”というようなニュアンスのつもりなのです。

>アニメの保守本流は『アンパンマン』『サザエさん』『クレヨンしんちゃん』などのファミリー路線

結局、革命も起きなければ新世紀も来なかった、という諦観ならば、基本的には同意します。ただ“事件”ではあったとは思います。
いまだに作り手に“雑念”を求めるのは、ある意味で酷なのかもしれませんが。

> アニメーターAMV

子供向けアニメがかえって大人の鑑賞に耐えるということもあると思います。とくに『クレヨンしんちゃん』はアニメ史において重要なシリーズです。

保守本流という言葉がよりふさわしいのは東映動画でした。

追伸:
安彦さんは「政治と文学」の世代なのでしょう。80年代は総じて言うと、SFアニメブームが一段落してファミリー向けが増えました。わたしはその代表例に『となりのトトロ』と『魔女の宅急便』をあげます。

大げさにいうとわたしは現在のアニメは『となりのトトロ』と『魔女の宅急便』から再出発しているとさえ考えています。

ちなみに「保守本流」は字義通りご理解ください。保守本流と保守傍流のそれではありません。

> どうも

すごく汚い字で、速記ともいえないものを呼んでいただいて、ありがとうございますv-10
僕は話が下手ですねーv-12

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