押井守 「イノセンス」 (2004年)
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宮崎監督の『ポニョ』はどうも見たくない。・・・と言う向きを上手く狙ってきてるのか?(笑)
押井監督の『スカイ・クロラ』が妙に気になっていて、公開されたら見に行こうかな、と思ってたりします。
実は、前作『イノセンス』が終わったとき、 「これ以上やることない、これ以上のものが作れる気もしない」と思ったことがあるという
それが変わったのは、やはり2周目に入ったから。 「結局、監督って、これが最高というものを作って終わる仕事じゃないんですよね。これからも先も延々と作るんだっていうことですよ」
そして、自分にとって何が一番楽しいのかを、素直に試し始めた。 「今まで自分は頭で作ってきたけれど、これからは身体にしたがって作ろうと」
これを読んで、そうか、前作って『イノセンス』だったのか、そういえば、まだ見ていなかったな、と。宮崎監督の前作『ハウル』も2004年ってことだけど季節は違ったわけで、今回『スカイ・クロラ』を『ポニョ』とほぼ同時期にやるのはどんな戦略なんでしょうね。
とにかく見ておこうと思ったんですよ、ちょっと衝動的に。すっかり忘れていたんですね、『GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊』を見たときの自分の感想を。(笑)
「・・・。」
『スカイ・クロラ』を見に行く自信が少しなくなりました(笑)。
えーと。DVDを再生しようとすると、デフォルトで、まず15分の前説みたいなのを見ろって勝手に始まるんですね。『GHOST IN THE SHELL』を見てない人向けの配慮なんだとは思いますけど、これはちょっとひどすぎる。映画なんでしょ?
――「イノセンス」は、当初、「攻殻機動隊2」というタイトルだったと聞いています。「攻殻機動隊」との関係をどう捉えたらいいのでしょう。
押井 別の作品ですね。物語は、「攻殻機動隊」の3年後という設定で、共通したキャラクターも登場しますが、「攻殻機動隊」を知らないと楽しめない作品ではありません。
押井監督が何と言おうと『GHOST IN THE SHELL』を見てない人には、正直きびしいでしょう。これは。でも見てる人には前説は蛇足なだけです。速攻、中断して本編鑑賞を推奨ですね。
「・・・。」
見ました。見終わってから、前説とかも見直して、えーと。それから、そういえば『イノセンス』って題名だったな、と。・・・あれ?(笑)
二周目開始です。それでね、邪道なことをしました。わざと小さい再生画面にして、字幕設定で「全編字幕」を選択。・・・あー、やっとストーリーが分かりましたよ。『イノセンス』って、あの少女のことですね。ようやく了解(笑)。
画面の情報の密度は本当に高いんですけどね。セリフなんかでも、インテリ好みの引用が多数ちりばめられていて。そういうのが世界観を作っているってのも分かります。そういえば昔、高橋良輔監督との対談で、「ドラマの薄さ」を指摘されていたなあと、今さら思い出してみたり。
ドラマから作品を見てしまう人には、過剰でしかない映像情報っていうのは、言っちゃ悪いけどノイズに感じられてしまう場合もあるんですね。本当にドラマからは、押井監督はあえて半身を引いて構えているというか。でも、その代わりにもの凄く自己が投影されている面もあるんですよ。端的にいえば「犬、大好き」とか。(笑)
人間よりも、はるかに愛情を込めて犬が描かれていることは、ひしひしと伝わってきました。あと、鳥っぽいプロペラ機とか、銃器の描写とか、クラシックカーとか?濃いぃなぁ、趣味の投影が!
押井監督の作品でも、『ビューティフル・ドリーマー』は本当に好きな作品だったんだけどなぁ。いや、この『イノセンス』も立派な映画なのかもしれないけど、私の好きなアニメではなかったなぁ。
[2008/07/31
23:48]
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コードギアス 反逆のルルーシュ R2 第14話 第15話 第16話
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あまり感想の間が開いちゃうと、この前の『マクロスF』みたいに悲惨な感じになるので、チョコチョコとメモしておきます。前回は第13話「過去からの刺客」。やっとスポットが当たってきたシャーリーをあっさり殺しちゃって、主人公を哀れに絶叫させた大河内シナリオの悪逆ぶりに、ディートハルトのような興奮でエントリーを書いてしまったのですが、さて。
- TURN14 ギアス狩り
- シャーリー殺害犯はしばらく謎で引っ張るとばかり思ったら、あっさりロロから自己申告。頼み甲斐のなかったスザクへの八つ当たり逆恨みも(今のところ?)ない感じで、ことごとく予想の裏をかかれます。
- ロロに怒りを爆発させなかったのが、かえって「怖!」と思いました。ヤバい感じですねー。
- ミレイ会長も卒業し、シャーリーもいなくなって、学園モードはこれで封印ですかねー。ナイトオブラウンズの転入も、ルルーシュと顔見知りになるための布石でしかなかったのか。(ルルの場合は知り合いとそうでない人との間に、すっごい差がありますからね!“仲間は大事”を確認する以前から。)
- 中華にあってもピザには事欠かないC.C.・・・はどうでもいいんですけど(笑)、ルルーシュの八つ当たりがギアス嚮団(教団じゃないんですねー)に向かったのはびっくり。
- V.V.は小憎らしいガキだから、ルルに騙されると、わりと爽快だったりするんですけど。「虐殺ですぅ!」(←違) ・・・というわけで、憎まれ役は今後、ロロが全面的に担当することになりました。
- で、ロロ抹殺を図るルルですけど。セコいわ、作戦が!
- コーネリア、かっこえぇー。(でも、ここは戦いに介入するより逃げ延びるべきだったのでは。ブラック・リベリオンから行方をくらませた貴女なら・・・。)
- 何、スザク!第二部開始以来、なんかキャラが変わっちゃって!カレンに“リフレイン”は一番まずいだろう。(念が入ってるなぁ。)「間違った方法で手に入れた結果に、価値は無いと思うから」って、第一部から観てる人は、みんな君の過去のセリフが頭の中でぐるぐるしたはず!
- うは、皇帝登場。2クール目に入ったとはいえ、急激に展開するなぁ!
- TURN15 Cの世界
- 14話からの引きは、どうせ超絶ウルトラCが来るって分かっちゃってるから、あんまり“次はどうなる”ってワクワクしなかった気がします。
- ギアス合戦なんてのも絵にならないので、絵になる対決を工夫した演出は偉いと思いましたが。でも相手が不死モードだってのは、ちっと興ざめ。
- こっちのほうがどうなるかという感じだったスザク&カレンのほうは、寸止めでスザクがやっぱり悪い人になりきれなくて、なんかこっちの展開も欲求不満かも(笑)。
- 一方、大衆芝居モードで突っ走ってくれたのは、扇&ヴィレッタ(&スーパーメイド)でした。この作品的には、このノリこそある意味本領発揮なのでは。
- 本筋のルルーシュv.s.皇帝のほうは、C.C.の介入でややこしい世界へ。不死の彼女が死にたいというのは分かったけど、手が込んでて難しい。
- ルルーシュが飛ばされたC.C.の過去の世界。「万人から愛されるギアス」ってネタとして面白いなぁ。(笑)
- で、元の神殿めいたステージに復帰。彼女の過去を見てきたルルーシュの必死の呼びかけで、C.C.が生きようと心変わりを。・・・ここ、大事ないい場面だと思うんで、もう少し心境の変化を丁寧な芝居でたどって欲しかった気もします。(谷口監督って、こういうところでさえ、のめり込まないで、半身引いたようなスタンスあるような気がするんですよね。照れなんでしょうか。個人的にちょっと残念。)
- 最後に「?」という引きを残して終わるというのが、ちょっと強迫観念なのか。奴隷ちゃんモードになっちゃったC.C.というところで次回へ。この回は面白かっただけに、ちょっと内容てんこ盛りに欲張りすぎた気がしますねぇ。
- TURN16 超合集国決議第壱號
- 何回見直しても、「超合“集”国」なのですね。“反米のルルーシュ”とか言われていたのに、「合衆国ニッポン!」ってどんなんやろうと思ってたのですが、どういう考えなのでしょう。まあ「超」とか付けている時点で、(たぶん意図的に)ネタっぽくしてますけど。
- 皇帝行方不明。V.V.は死んだんですかねぇ。C.C.の記憶喪失もファン拡大には良さそうですが、このままじゃストーリー上どうなのか。元に戻るとしたら、どういう仕掛けなのか。何しろ皇帝に“コード”を抜かれたってことなんでしょうか。(そんな除去可能なものなのなら、そもそも死ななくても良かったんじゃん。)
- コーネリアさん捕まっちゃいましたか。ルルがナナリーを助けたいって言っても、ユフィの件があるしねぇ。和解は難しかろう。で、このキャラをここからどう活かすのかですね。忠義者のジェレミアから忠犬ギルフォードへの電話は彼女の件で確定だと思いますが、開口一番「オレンジ・・・君」は非道ぃよね(笑)。
- 黒の騎士団の不協和音フラグは、ギアス嚮団殲滅戦以来高まっている感じで。地雷だなぁ。
- なんと三話もかけてのスザク&カレンの展開のほうは。カレンが殴る殴る殴る!(笑) ついついスザクに同情しちゃいますねぇ。シャーリーの死を彼がルルーシュの犯行だと思い込んでるのも無理はないわけで。で、悩めるスザク。うん、君はもう少し葛藤したほうがいいと思う。と、思ったら、なんか核爆弾みたいなのを持たせられるの?(憎まれ役はもう一人、ニーナってのがいましたねぇ。)
- 派手な式典!まあ学園ものとかをやりながら、一介の高校生が世界最大の覇権国を向こうに回す大国家連合を組織するところまで、いや短期間でよくここまで来たナと思います。(ゼロがと言うよりスタッフが。)とにかく展開早っ!!
- 行方不明と思わせておいて、いきなり電波ジャックで登場のシャルル皇帝。(もう、お茶目なんだから!)ルルーシュびびり過ぎだと思ったけど、あれ「ナナリーが・・・」って頭の中でグルグルしてたんですね。さり気に横目でそれをチェックしてる藤堂さん。「偽りの劇場」とか、意味不明なことを言ってるシュナイゼル。「オォォォル・ハイル・ブリタァニアァァ!」に対して「日本万歳!」連呼も何だかなぁ。
- 狼狽しきったままC.C.のところへ戻ってきたルルーシュは、誤って彼女に怪我を負わせてしまいます。ちょっとした怪我のはずなのに、すごい流血の強調は、ルルーシュ視点ってことでしょうか。
- で、彼女の言葉からヒントを得て(前のこのパターンのときの相手は、今は亡きシャーリーでしたが、)窮したときに頼れるのは「友達」しかいない、と。で、速攻スザクに電話!(この作品、電話を便利なツールに使いますねぇ。)もう学校に戻る目はないし、皇帝も健在となれば、スザクに第二期のゼロも自分だと明かしても問題はない。とにかく卑屈になってでも「ナナリーを守ってください」なんだが。動き出した状況が自分でも止められない段階に来た時点で、皇帝に自分が現役ゼロだとばれたのが、彼をこうさせているわけですね。ただ“ナナリー=人質”だとしか彼の立場からは見えないわけだけど、皇帝閣下は何を考えているのかよく分からんですからねぇ。
- どう考えても、あのスザクの受け答えで、今も友達と言えるのか、自信を失ってもおかしくないわけなんですが、それ以外にない、と思いつめちゃったルルーシュ君は、スザクの要求どおりに次回柩木神社に行くっぽいですよ。裏返すと、クールを気取っていても身内にはとことん甘いルルーシュだから、同じようなことを相手にも期待してるってことなんでしょうけど。肝心のときに、総大将が別の場所へ行くという。何だかブラック・リベリオンの再来っぽくっていやですねぇ(笑)。
すごい急展開で。このまま一気に最終決戦へなだれ込むんでしょうか?落としどころから逆算すると、核爆弾っぽい“究極の悪”がいよいよ実戦配備で出てきたので、最後はそこが物語のアヤになってくるんでしょうね。スザクとルルーシュが和解できるとすれば、そんなラインぐらいしか考えられないというのがあります。
まあ皇帝の真意、マリアンヌ暗殺(?)の秘密、いろいろ課題は山積みですから、この先も一筋縄でいくわけはないんですけど。ロロとサヨコさんが何かやってるっぽかったから、次もびっくり大作戦が待ってることは分かってるんで、あとそろそろ、あまりに多くなり過ぎたキャラクターが少しずつ“整理”されていくと思うんですけど、順当にばかりはいかずに、またいろいろ裏切られるんだろうなぁと(笑)。
だらだら引っ張っていれば第三部、第四部ぐらいやれる内容があったと思うのにもったいないような気もしつつ。でも急展開は、基本的に大好きですから。最後まで目が離せませんね!(笑)
[2008/07/29
23:59]
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宮崎駿 『ハウルの動く城』 (2004年)
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恥ずかしながら、テレビ放映されたのしか見てませんでした。
宮崎さんは「原作クラッシャー」の癖に原作がある作品のほうが出来がよいのは何故なんだろうかと前からよく言ってますが、画面作りの人だからと言われれば、なるほどそうかも。
昔の作品では、あまり得手ではない物語作りに自分を投影することは控えていたのかもしれなかったですけど、今は“怖いものなし”なんで、平気でストーリーにも自分の趣味を押し込んでくるから、近作のいくつかは「気持ちいい」のか「気持ち悪い」のか、よく分からない作品になっているような気がします。
この辺の話もありまして、やっぱりもう一度ちゃんと見直してみようと思いまして。
で、見直してみて、これはテレビで見ちゃダメな作品かもしれないですね。けっこう集中して見ないと。・・・でも、かなり本気で難解な部類の作品ですよねー。こういうのが許容されるんだから、濃いアニメファンじゃない人たちの感性というのも、侮り難いものがあると変てこな方向で感心したりしました。この内容で観客が多かったのだから、まさかキムタクの声だからってだけではありますまい。(笑)
キムタクの声は案外悪くなかったですね。ハウル役については、元からそんなに演技力の必要なセリフは多くなかった気もしますが。
倍賞千恵子も、私はまずまずと思いました。これはだって、少女から老婆まで行ったり来たりする役なんて、声以前のところで無理が大きすぎますもん。あるいは彼女は宮崎監督の好みのタイプだったのでは?最後の歌ぐらいはともかくとして、ところどころキャラクターの絵づらを倍賞千恵子に似せたふうに描かれていた部分があったような気もして、そんなことをするから“違和感”とか言われてしまうんだろうな、と感じました。
役者を使ってもいいんですけど、へつらうような部分が少しでもあると、そりゃアニメファンはそっぽ向くだろうと思います。その点は、倍賞さんが悪いというより監督なのか、鈴木Pなのか分かんないけど、使った側の責任が大きいんだろうと私は思いました。
宮崎アニメ的な「気持ちいい」ものを期待して見に行ったら、「気持ち悪い」ものをてんこ盛り見せられて、何かのせいにしたい人が声のせいにしたりするところもあるのかも。魔法の世界も気持ち悪いけど、黒煙もくもくな街の風景は、出てきた最初から厭世的な印象がありました。
主人公のソフィーも、若くして何を世をはかなんでいるのか、というキャラクター。“荒地の魔女”っていうのは、もしかしたら彼女の暗黒面を象徴する分身なのかなぁとか思って見ておりました。(暗黒面だけあって、何と見苦しく描かれていることやら。)
しかし魔女の呪いで老婆になってしまった彼女の、何と生き生きしていることでしょう。これを見ていると逆に、自意識でパンパンになってしまう若さというもののほうが、ある意味で呪いなんじゃないかと、そんなことを思ってもみたり。
って言うか、端的には、宮崎監督の大好きだったお母さんのイメージが、老婆になったソフィーには投影されていたりするのかも。転がり込んできたソフィーにハウルが戸惑わないのは、後半で明かされる少年期の出会いがあるからかもしれませんけど、素晴らし過ぎる“プレゼント”などを見ていると、宮崎監督が喜ばせてあげたかった老婆というのがきっといたんだろうなぁと。
とにかく宮崎監督にとっては、幼女でなければ老婆というわけで(笑)。
若者独特の自意識の全否定というのは、これはけっこう過激ですよね。
この作品、どうもわざといろんなことの説明をすっ飛ばしてまして、それはそれでよいと思うのですが、ハウルが「守らなければならないものが出来た」と言って飛び出して行った後のソフィーの行動とその結果とか、ちょっと限界超えちゃってるかなという感じで。
「未来で待ってて!」
「ごめんね、私グズだから。ハウルはずーっと待っててくれたのに。」
説明的なセリフが必要だとは思わないんですけど、もう少し丁寧にソフィーの心境の移り変わりをたどってもらわないと、映画を見ただけでは本線の情が追いきれないと私は思いました。(これを理解できない観客のせいにするのは、いささか傲慢というものでしょう。)
もう一つは、この作品にも宮崎監督独特の空中戦艦をはじめとする魅力的な兵器が多数出てきますけど、このへんも監督の嗜好を前面に出しすぎてしまっているのかな、と。この辺を取り上げて、“この作品には反戦というテーマもある”みたいなことを言っちゃうと、たぶん的外れでしょうね。むしろ、そういうどうしようもなく自分の中にあるものも含めて“浄化して!”って、放り出されているという、そんな印象。
とはいえテレビ放映されたときに見た時には、ほとんど斜めに見ていた感じで、正直嫌だなと思う部分ばかりが目に付いていたんですが、今回しっかり集中して見て、なるほど悪くないという印象を持ち直しました。これが万人受けする作品だとは到底思えませんでしたけどね・・・。





