『交響詩篇 エウレカセブン』 43話~46話 面白いんだけど、どうもなぁ。 

[2008/06/12] | 感想系 | トラックバック(0) | コメント(0) | TOP ▲

 一気に山場だと思ったら、ちょっとはぐらかされたような展開。あと一巻で完結ですねー。

交響詩篇エウレカセブン 12

43 ザ・サンシャイン・アンダーグラウンド
44 イッツ・オール・イン・ザ・マインド

 子どもたちだけの世界・・・ねぇ。頼れる大人が誰もいない隔絶された世界で、彼らは信頼を築きなおせるのか、っていう試しなんでしょうか。レントンとエウレカだけだったら典型的な"セカイ系”って話なのかもしれないんだけど、カツ・レツ・キッカ(←違)がひっついてきているところが何とも。
 そして子どもだけの世界は、何ともエゴイスティックな感じ!(でも、わかるなあ。子どもって、むしろたしかにそうなんだろうと思う。見て楽しいもんではないですが。)

 私のお気に入りのドミニク君はワルサワやらに派遣されるんだけど、どう見ても情緒不安定気味な彼を、このタイミングでわざわざそういうところへ派遣するデューイってのも、よく分かりません。部下を見てないのか、わざとやってるのか。(それとも、ただのストーリー上の都合か。)
 アネモネはエウレカとまったく同様な人型のコーラリアンなのかと思っていたら、人工的に生み出されたのか、やっぱり特殊ケースなのか、そこも結局よく分からなかったです。(ドミニク君と同様に、衝撃ではありましたが。)

 ホランドと月光号はどうなったんだろうかと思ったら、デューイの計画を阻止するために決死の闘いを展開してました。そういえば、ノルブもあのまま消えてしまったんですね。壁の向こうへ消えてしまったレントンとエウレカからは、何の情報もないわけだし、ノルブも何も言い置いてくれなかった気もするんだけど、彼らは適宜、最善と思われることへ判断を切り替えて行動してるんだなぁと。
 ただ目に見えて生命を賭けた闘いの動機付けとしては、ここの描写だけでは少し不親切かも。

 デューイとホランドの過去は、アネモネに語るという形で明かされます。物語としては密度が高いところなのに、ドラマとしては何故か平坦なパートなのでした。アネモネが、ドミニク君からもらった花を何気に大事にしている描写がいいですね。

45 ドント・ユー・ウォント・ミー?
46 プラネット・ロック

 前話でユルゲンス艦長がドミニク君に『ray=out』を突き出したのには、なるほど、そう来るかとぶったまげました。人々の間でも、おお、効いてるじゃないか、カウンターカルチャー!(笑)
 ところでこのボード屋さんのおっさんは、最初のほうでレントンと話をしてた人じゃなかろうか。このへんはサービス精神がありますね。
 ゲッコーステイトと面会したユルゲンスとドミニクが、再び『ray=out』を突き出したのも面白かったです。出版した本人たちも思ってなかったような反響っていうのが、これはいい。
 その心変わりの理由がキレイゴトだけでは、にわかに信じがたいというホランドに対して、「アネモネを守りたいんです!」って大告白大会のドミニク君は可愛いんだけど、どうしたらアネモネを守ることにできるのか、難しいところだよねー。誰か一人ぐらいそこツッコんであげておいて、レントンと同様のお馬鹿さんだっていうところへ持ってってほしかったかも。
 ユルゲンスの決意にもう少し同調者が多くいるのかと思ったけど、1艦のみというところは意外にシビア。

 一方で子どもたちのほうでは、エウレカの身体に変化が生じていて。“違う存在”というのを受け入れられるかどうかということなのかもしれないんですけど、ヒロインのビジュアルを、またしても、こうもいじっちゃうというのが何ともねー。
 しかしレントンはアホですねー(笑)。この自傷行為は、ちょっと感動するには厳しいなー。ここは私はさすがに引いちゃいました。
 エウレカの羽化(?)は、もっとビジュアルに力を入れて、文句のつけようがなく美しく描いてくれてもよかったのに。レントンはアホだから、どんな姿でも「きれいだよエウレカ!」って言っちゃう気がするし(笑)。

 解き明かされていく謎は面白いと思います。(地球とこの星の関係は、よく分からないですけど。)ただ、謎解きパートと、いよいよ危機を迎える物語のパートが、互いに関連を持たずに個別に進行してる感じは、どうも見せ方が上手くないんじゃないだろうか。
 これは、作り手がやりたい物語を作ってるのでしょうね。なので描ききるところまで見てみたいと思います。それはそれとして、これでは視聴者置いてけぼりな感じは否めないかも、とも感じました。エンターテイメントとして、ドラマの見せ方というものはあるだろうと。うーん・・・。これは単純に力不足ですか?

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