『伝説巨神イデオン』 第14話 撃破・ドク戦法
2008-07-05
- 今回は文句なくコスモが主人公。ただし主人公はひどい目にあうというのがこの作品のお約束(笑)。
- 敵は“技術屋”、ジルバル・ドク。富野アニメでは技術屋は実力派で強いのがお約束(?)。目標を明快にするのが技術屋流で、漠然とイデオンを倒すのではなく、個別メカに集中攻撃して破片を持ち帰るという、低めの見積もりが図にあたる。
- というか、見事に相手の注文どおりに、単独突出してしまったコスモ。ほんのちょっとしたタイミングの問題なんだけど。そのちょっとしたミスのためにイデオ・デルタの搭乗員は、コスモを残して全員戦死。(もともと操縦席のパイロット、コ・パイロット以外にどのくらいの乗員がいるのか分かりにくい。全身のミサイル・ランチャーやグレン・キャノンに1名ずつ配置されているが、むき出しのもよう。そりゃ死んじゃうよ!でも、ミスとも言えない程度のミスで、手の施しようもなく、この結果に陥るというのが、それはマジで怖い。)
- モニターも次々死んでいく“フルボッコ”状態でパニックに陥るコスモ。それでも壊れないイデオンメカってのもすごいんだけど。(ミサイルとかが誘爆しないのは謎。)
- カーシャの奮戦で、うまく行きかけていたイデオ・デルタの強奪を(案外あっさり?)諦めるドク。
- “バッフクランを振り切るまでは・・・”とためらっていたブラジラー基地へ向かうことを、頼りのイデオンの危機を目の当たりにして、瞬時に決断するベス。
- 受け入れてはくれたものの、第6文明人とバッフクランという二種類の異星人と同時に接点を持つのは、それは確率的に不自然すぎると嘲笑するブラジラー基地のカミューラ・ランバン司令。その論理は間違ってはいないんで、しかし、それが偶然ではなくイデの力による必然だということなど、この時点では誰も想像だにできなかったのでした!
- ベスがカミューラの昔の教え子という設定は、あんまり効いてるとは思えない妙な蛇足かな?
- パニック症状から立ち直れていないコスモに気づくカミューラ。軍人としては官僚的な判断しかできないが、人としては悪い感性の持ち主ではないようです。ずっと会っていない息子の姿をコスモに重ねているらしいカミューラ司令。(事情は詳しくは語られないけど。)
- 「俺はもう子どもじゃない」、「なんでも一人でできる」、「みんなを守ることだって」・・・年齢らしからぬ不敵な態度と実力を備えているが、つっぱってそれ以上に背伸びしたがる彼。そういえば、コスモのバックボーンというのも作中ではあまり語られていないような気がする。
- バッフクランの攻撃が始まる。理屈としてはカミューラ司令自ら、コスモをソロシップに送り届けようとしなくても良さそうなものですが。でも、それが情というものですね。
- そして情に囚われると、この作品ではヤバい(笑)。二人を乗せたシュッターカタムは、これまたあっけなく爆撃に巻き込まれて転覆。下敷きになりながら自分の身よりもコスモを案じるカミューラが泣かせる。泣かせておいて・・・コスモは機体の下から無理やりカミューラを引き出そうと引っ張り、彼女の断末魔の悲鳴が響く。
- 何度見ても、コスモが彼女を死なせたようにしか見えない(汗)。さすがに多少分かりにくくしているけど、これは確信犯。この回の演出は、『発動篇』を監督した滝沢敏文。この人は・・・けっこうヤバい人だと思います(これ、絶賛)。テレビアニメのフォーマットで、こんな微妙な表現をやろうだなんて!ここまでで言うと、カララの侍女マヤヤの最期とか、バジンとかがこの人の仕業。
- 正気に戻ったコスモがイデオンに乗り込んで。しかし異常なハイテンション。超名台詞、「カミューラ・ランバンの仇ぃー!!」直前のコスモの目の動き。吼えるイデオン。やはり、このロボットは人の感情で動いている。
『伝説巨神イデオン』 第13話 異星人を撃て
2008-07-04
- 再びカララのコーヒーサービス。少しはうまくなったのかな。でれでれとする男たちにカーシャ怒る(笑)。「お嬢様ぶっても人殺しの手先」というのは、(どのぐらい自覚があるのか分からないけど)戦闘状態のきっかけを作ってしまったカララにはキツい一言。
- 前回の交渉相手がハルルでなければ、バッフ・クランに帰れたかもしれないと泣くカララ。姉でなければ、ああも感情任せなリアクションではなかったろう、というのは正しいが、前回、あわよくば帰りたい気持ちもあったんですね。
- ふだん影の薄いバンダ・ロッタが今回の主役。「畑に生えた雑草は摘み取らなきゃ」というのはシンプルな感性。それだけに強いのかも。
- スターダストの中を突っ切って、バッフクランを振り切ろうとするソロ・シップ。甲板上のソル・コンバーが隕石で吹き飛ばされるハプニング。ゼロ・ズロオの攻撃をかいくぐって、無人のソル・コンバーに飛び移るコスモ。
- ツンデレのカーシャに「ありがとう」と言われて驚くコスモがいい(笑)。
- バリアのおかげで流星群の中を抜けることができたソロ・シップとイデオン。バリアを使いすぎたのか、パワーダウンしているイデオンに、容赦ないバッフクランの追撃。振り切れなかったことに愕然とするソロ・シップの面々。
- イデの力は強くなったり弱くなったり、終始よく分からない。ご都合主義と言われてもかまわない!そこがまた感覚的で面白いんですよ。
- ドッキングアウト技で窮地をしのぐコスモ。ロボットアニメ的なギミックを活かしているんだけど、頭と腕だけのイデオンがぶん殴る、この見苦しい絵だけは、何度見てもさすがに見慣れない(笑)。
- と、いうような渦中で、いつしかブリッジから林の中に場所を移しつつ。カララを撃とうとするロッタを誰も止められない状況が進行中。人畜無害な印象のロッタが暗殺者だというのに皆、愕然。
- 反カララの急先鋒のシェリルが説得役という、面白い構図。
- ロッタはカララの「仲間づら」が許せないと。前回、もうバッフクランには戻れないと悟ったカララの、居場所を求める心境の変化を敏感に察するのは、感覚派のカーシャだったりロッタだったりするのかも。
- 無抵抗のカララを殺そうとするのは、どう考えてもリンチ。でも実行者の意外性なのか、誰も止めるに止められない不思議(ベスさえも!)。状況に出遅れたコスモたちは見守るしかできないが、結果はどうであれ少なくとも、それを子どもに見せちゃならないという判断がコスモには一瞬でできる。
- ロッタの前に自ら進み出るカララ。もう母星には戻れない以上、ここで死ぬのも運命だという覚悟ができたんだろう。しかし、ロッタの放った弾丸は一発もあたらなかった。まるでロシアン・ルーレット。運試しのようなもの。もし殺めてしまっていたなら、リンチの後味の悪さに皆は耐えられただろうか?それと、イデが介入して弾をそらした可能性も否定できないが、この作品の中ではイデの意思は「運命」と同義だから、そこは詮索しても意味がないかも。
- このエピソードは象徴的だが、いちおう主人公のはずのコスモには、この作中で出来事の“傍観者”的なポジションが意外にある。誰もが悲しいぐらい立派に見える、という批評は、やや感傷的な部類か。運命に身をさらすことに耐え切ったことを称えたものなのかもしれないが、しかし視聴者が素直に共感できるものではないかもしれない。この割り切れない感じがイデオンという作品の、独特な部分かもしれません。
『伝説巨神イデオン』 第12話 白刃の敵中突破
2008-07-04
- カララのモーニングサービス(笑)。「サムライの娘」のたしなみとか言ってるけど、お嬢様だと思ってたのにね?
- 甘すぎ濃すぎ。その辺の異文化描写は少しいやみなぐらいに芸が細かい。(“甘すぎ濃すぎ”の意味性を深読みするのはやりすぎか。)
- カララに甘いとベスをなじるコスモ。男同士は拳と拳で会話するけど、エレベータという密室限定なところは、クルーに二人の対立を知られてはならないという配慮?意外と大人なコスモ。(そこがまた分かりにくいやつ!)
- 女傑ハルルの失恋話の伏線。
- 潜入スパイのデマに動揺するソロシップ。根も葉もない嘘ではなくて、実際の危機を拡大して言っているところがうまい。コスモじゃないが、皆が疑うなかでベスだけがカララをかばうのは、たまたま正しいけど、客観的にはやっぱり変だ(笑)。
- せっかく人心動揺に成功したのに、爆弾騒ぎを起こすから潜入スパイはばれてしまい、カララの容疑は晴れてしまう。(詰めの甘さが多少いらつく。→どっちに感情移入してるんだって話。)
- 無実が分かったカララがイニシアチブをとって、姉との交渉を提案。
- 妹を目の前にしてハルルの手ひどい拒絶。二つの文明の不幸な接触のきっかけをつくってしまったのがカララだという指摘は正しい。すまし顔の理想主義に、徹底して感情的な反駁を加えるハルルを責めることができるのだろうか?
- お姫様の危機に、ベス逆上(笑)。しかし驚くほど強い!
- 初登場のときから考え直してみると、ジョーダン・ベスという人物は思慮深いほうではないが、行動力はある(イデオンメカを接収するために、あらかじめ戦車を同道したり)。熱血漢はマッチョというのがステレオタイプだけど、ベスは美男子なところが気に入らない(笑)。というか、変わってる。
- カララとベスのカップル成立が決定的になったラストシーン。意外に、ベスが一瞬だけど、ためらう素振りを見せているところが興味深い。
- 状況に置いてけぼりを食ったコスモが、介入の口実にするのが、ベスはカララにほれているから裏切るかも、という理由なのは面白い。
- コスモの相棒としてデクがイデオンに乗ることに。ベスもそうだけど、人物配置がとても流動的なのもこの作品の特徴かも。











