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富野由悠季 新版『リーンの翼』を読了(とりあえず、前半分の感想) 

[2010/06/04] | 感想系 | トラックバック(0) | コメント(0) | TOP ▲

 このところ殺人的に忙しかったり体調も悪かったりで、ブログも全然更新していませんでしたが、富野由悠季渾身の大長編『リーンの翼』をようやく読み終えたので、感想を簡単にメモしておきます。

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 前にも書きましたが、今回の新『リーンの翼』に対する旧『リーンの翼』を読んだときの私の感想は、あまり芳しいものではありませんでした。

 全4巻のうち、前半の1、2巻は旧『リーンの翼』のリライトになるんですが、以前に読んだものと比べ格段に「読みやすい」と感じたことが、とりあえず強く印象に残りました。今回、あらためて旧版と新版の読み比べはしていないので、どこがどう、ということは言えません。
 ただ、『リーンの翼』は富野監督にとって、はじめて(アニメのノベライズではない)オリジナルの小説を書く機会となった作品であって、そうしたオリジナルの小説であるのを免罪符にして、「自分独自のもの」を入れ込むことに執心しちゃっている面があるのではないかという印象がありました。それに対して今回リライトされたものは、その自分の独自性のような部分がよく消化され、うまく物語のラインの中に乗っているのではないか。そういうような大雑把な印象です。

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『ブレンパワード』ゆるゆる再見 第5話「敵か味方か」 

[2010/03/15] | 感想系 | トラックバック(0) | コメント(1) | TOP ▲

 最初に見たときは、「この子どこから突然出てきたんだ」と思ったけど、第2話からちゃんと出てたんですよね、ヒギンズ。最初に見たときは名もないクルーの一人かと思っちゃってた。
 アノーア艦長が子どもからのクリスマスカードを繰り返しチラチラと見ているのも、後になって気がつくポイント。リクレイマーを逃げ出してきたユウについて、「親子の絆がそれで断ち切れるものでしょうか」というセリフを彼女の口から言わせているあたりは、後から思えばユウとジョナサンの裏返しの人間関係の構図を反映していて面白いです。

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 そのリクレイマーのほうはジョナサンがあきれるぐらい、目に見えて人間関係がグダグダしていて分かりにくい。
 組織というものは立派なお題目を掲げていようがいまいが、中では情実で動いてしまうものだ、・・・ということが、ここでは分かりやすく戯画化されているのだけど、「アレは敵、コレは味方、敵の目的は・・・で、味方は・・・、」ともっと単純化されたものを見過ぎていると、普通のことが分かりにくく見えたりするから、難しいもんだ。

 『ガンダム』の類型だと思って見ていて、「これはリアルな戦争が描けてない」とか言ったりするのかもしれないけど、そんなに戦争が好きなのかな?「リアリティがある/ない」というのも、表現のひとつの方法ではあっても目的ではないよね。とにかく感動できればいいじゃん。

 作品の冒頭からブレンパワードに乗りたがってるコモドは、もっと物語の主軸に絡んでくるのかと思ってたら、(ネタバレだけど)最後までブレンに乗れない。ある意味肩透かしなんだけど、なんかそれでいいんだというところへきちんと着地できたからよかった。
 そういう落としどころから逆算すると、この時点での彼女はまったく「何言ってんだかさ」という感じで、無駄にキャラが立ってるように見えるのは間違いない。だが、それ以外には何も感じられない人はここでのコモドのように、自分は主役級の活躍ができるはずだ、して然るべき、と考えている人なんだろう。
 才能ややる気があったかなかったかにかかわらず、チャンスを得られず目覚しい活躍などできないことの多いのが、普通の人生であり、『ブレンパワード』はそうした群像にも丁寧に目を配っている優しい作品だ。「リアリティ」の持ち方が違うというのは、つまりこういうことなのです。

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『ブレンパワード』ゆるゆる再見 第4話「故郷の炎」 

[2010/03/07] | 感想系 | トラックバック(0) | コメント(0) | TOP ▲

 エンディングの『愛の輪郭』を聞きながら、今見てきたエピソードを反芻する時間が意義深い、と思う。

愛の輪郭

 今回はユウの育ってきたバックグラウンドを視聴者も知り、ヒメちゃんも知る。前のエピソードでヒメちゃんの育った「ひだまりの館」を泥津波から救ったユウだったけど、このエピソードでは自分の育った家を失ってしまう。
 そういえばユウが必死で救った「ひだまりの館」だったけど、今回さりげなく、みんな避難してたようでもあった。彼の努力は意味がなかったのだろうか。・・・そうでもあるまい。

 今回はカナンがオルファンから離反していくエピソードでもあった。愛されずに育った彼女のトラウマの描かれ方は、まだちょっと『エヴァ』くさいところがあったけど。生まれる前の両親のいさかいの回想は、本来彼女が知るはずのない記憶。それはそういうふうに教えてこられた、ということなのかな。

 彼女の「帰る場所」としてのオルファンへのこだわりは、のちにクィンシィが見せるそれとも共通するな。男子は大人になれば「家」を飛び出し、女子は大人になって「家」を守ることを思う、とか?

 「生まれてきたことを後悔したくない」ために、何をしなければならないのかというやり取りは重い。
 「誰にも愛されてこなかった」というカナンに「見つけりゃいい!自分で育てればいい!」と断言するユウは立派過ぎる印象もあるけど、自分の中にはじめから答があるのではなくて、反射的に言葉が飛び出ているという印象だ。

 まだまだ序盤だからユウと、ヒメちゃんたちノヴィス・ノアのディスコミュニケーションの描かれ方は、ひどくバッサリとしたものだ。ノヴィス・ノアのクルー同士でも、ナンガはヒメちゃんを子ども扱いしたりする。

 大人ぶって強がってみたり、急に子どもっぽかったり、ユウは本当に等身大の17歳だなぁと再び思う。ロボットものの視聴者が期待する主人公像とは違うのかもしれないので、戸惑うのだろうけど。
 ナンガやラッセは年長者だけど彼やヒメちゃんのようにはブレンパワードが乗りこなせないという負い目もあって、「元リクレイマー」とか、「グランチャーに十数年乗っていた」という見方でユウに接する。等身大の17歳をそのまま見つめてあげているのはヒメちゃんだ。彼女のすごいところは、そういうところだ。

 実体のよく分からない「オルファン」について、ユウとケイディは激しくやり取りをするけど、後から思えば視聴者に分からないだけじゃあなくて、彼ら自身もよく分からないまま互いの思い込みだけでやり合っている。こういうのも、実はよくあることなんだろう。

 科学的であるはずのリクレイマーたちが「ブレンパワードは機能不全のアンチボディ」と思っていたのも一面的に自分たちの都合だけで判断してたということなんだけど、それで焦ったケイディがイタチの最後っ屁でユウの育った家を破壊してしまい、カッとなったユウはケイディの乗るグランチャーを撃破する。
 戦っていた相手を撃破して、やってしまったことに愕然とするユウ。

 「あいつ、ナーバスなんだ・・・」

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『ブレンパワード』 ゆるゆる再見 第2話 運命の再会、第3話 勇の戦い  

[2010/03/05] | 感想系 | トラックバック(1) | コメント(0) | TOP ▲

 この作品、本当に好きだなぁと思います。すごく荒いんですけどね。第3話の最後に勇が「俺たち何やってんだろうな」とユウ・ブレンに話していて、たしかに筋道だった行動計画みたいなものは何もないんだけど、ほぼそのままの勢いで最後まで行っちゃうとは、まさか思いませんでした。(これ、重要なネタバレだな。w)

 そういう物語のカギとなるヒロインのヒメちゃんは、実にそれにふさわしいキャラクターで、理屈抜きで直感で「分かっちゃう」ところがすごい。で、彼女に対する主人公のユウは男の子だからいちおう頭で考えようとしてるんだけど、でも、あのキス魔ぶりは実は、理屈を超えた行動力のあらわれなんだな。

 kaito2198さんが「富野監督の方法論には『飛躍』という概念があります」という話をしていましたが、この『ブレンパワード』も第1話の終わりにあまりスマートでないやり方で1年という時間の飛躍をしただけでなく、この後ユウがヴァイタル・ネットの向こうに飛ばされちゃったところなんかでも「飛躍」はあるんですよね。
 でも物語の舞台設定をまだ全部見せきってないところでポーンと飛躍しちゃって、それから徐々にバックグランドが明らかになってくるっていう、このパターンはちょっと凄いと思うのですよ。
 だいたい「え?」と思う場面で、EDの『愛の輪郭』が重低音で入ってきて次回へという各回の「引き」の切れが半端じゃないんですよね。早く続きを観たいという意味ではTVアニメの方法論なんだろうけど、劇中での大きな「飛躍」の使い方なんかは「映画的」な気分がある。

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松本零士『1000年女王』(コミック版のほう)・・・あれ?あれ?あれ?(笑) 

[2010/01/05] | 感想系 | トラックバック(0) | コメント(3) | TOP ▲

 昨年は、今や黒歴史(笑)みたいな「松本零士ブーム」の話なんかを何度か書きました。

グレートメカニックDX(11) (双葉社ムック)

 twitterで教えてもらったのですが、『グレートメカニックDX11』で藤津亮太さんが、連載「'80アニメ名作劇場」の第3回として松本零士の『1000年女王』を取り上げています。立ち読みだけのつもりが面白かったので、ついつい買ってきてしまいました。
 そこでは第1次アニメブームをざっくり解説すると『ヤマト』→『ガンダム』→『マクロス』というホップステップジャンプだね、とした上で、

この表街道の裏側で、別のムーブメントが盛り上がっていたことを覚えている人はどれだけいるだろう。当時の世間からすればむしろこちらが表街道だったかも。

・・・として、松本零士アニメのことに触れておられます。いやー、ほんとにね(笑)。それで今回は万感の(複雑な)思いを込めて、『1000年女王』のコミックス版のほうの話を少し。

 Wikipediaを読んで、あれー、そうだったっけと思ったんだけど、『1000年女王』劇場版(1982年)は、『機動戦士ガンダムIII めぐりあい宇宙編』と同日公開だったんだって。ひぇー、ほんとかね。(笑)

 まことに個人的な話、先月上京して『マイマイ新子と千年の魔法』を見てきた日は、午後から中学校時代の友だちと合流して、なんと『ヤマト復活編』も見てきたんですね。別に地元でも上映してるんだけど、この映画は旧友たちと見たかったので。
 これは大正解でした。感想を一言で言ってしまうと、「タイムカプセルを開けてみたら、とんでもないものが続々と出てきて笑うしかない」(笑)。あるいはtobofuさんの言葉を借りると、"ある程度昔のヤマトを知っていて、昔のシリーズの終盤あたりですでに「突っ込み前提」で観ていた人に一番ぴったりの映画”。
 とにかく、わが同年輩のオヤジたちが『ヤマト復活編』を見るのなら、既に退役アニメファンでいいから同年代の旧友を呼び出して、その後一緒に酒を飲むのが一番だと思うんですよ。いや、お互いにしゃべりたいことが溜まる溜まる溜まる!一人で見に行っちゃダメ。溜まりすぎて爆発しちゃう!(そういう映画ですので、若い皆さんには特にオススメはしません。)

 で、その勢いでブックオフでたまたま目が合ってしまった『1000年女王』文庫版コミック全3冊を衝動買いしてしまったという、そういうわけです。パラパラッと見て「ゲ、これって完結してたんだっけ!?」と衝撃だったので。いや、松本センセイの長編マンガは完結しないことが多いんですよ(笑)。

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