スポンサーサイト 

[--/--/--] | スポンサー広告 | トラックバック(-) | コメント(-) | TOP ▲

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

「秒速5センチメートル」(新海誠) 

[2008/11/07] | 感想系 | トラックバック(0) | コメント(0) | TOP ▲

 初恋の思い出。・・・これって、アベックで見たら、さぞ気まずい映画なのでしょうね。(笑)

 初恋の人と、そのまま生涯パートナーでいられる人ってどのぐらいいるんだろう? もちろん皆無ではないのでしょうけど。それと、今これを見ている時点で、そういうパートナーが傍らにいる人と、そういう人を探し続けている人とで、また見えかたがぜんぜん違ってくる映画なんだろうか、とか。あるいは、女の人から見たらどうなんでしょう? とか。

秒速5センチメートル 通常版

 私は自分の初恋のひとのことを痛切に思い出しながらしか、この作品を見ることは出来なかったです。切なかったなぁ・・・。
 私もふるさとを遠く離れて暮らしていますので、たまに帰郷すると、高校時代に乗降していた駅などでは、思わず目があちこちしてしまいます。偶然の出会いなんてそうそうあるわけがないし、会ってもいったい何を・・・ねぇ?

 ・・・などと書き始めてしまったら恥ずかしくなってきたので、それはまあ置いておいて(苦笑)。いや、いい作品でした!(ああ。そういえば、忘れていましたけど、同じ新海監督の『雲の向こう、約束の場所』の感想でも、個人的な思い出話を始めてしまったんだった! どうも、この人の作品を見ると、そういうほうのスイッチが入っちゃうみたいです。私の場合。)

 私は『ほしのこえ』は自分で驚くぐらい拒否反応だったんですけど、前の二作にあったSF的な部分は、この『秒速5センチメートル』にはありません。描写もまったくのリアリズムで、(不要ではと思うほど)現実感のある舞台の設定。
 はて、アニメでこれをやる意味はどうなんだろうかと思ったりもしたのですが、アニメだからこそいいんだろうなと思い直し。
 この作品で素晴らしく美しいのは背景美術と音楽なのだと思います。キャラクターの印象は薄い。ストーリーも短編小説というより、むしろ散文詩のような感じかも。三つの短編からなる構成は、新海監督のそういう性質によくあってる感じでした。

 押井守と比べてみたりしたらいいんだろうか? 『スカイ・クロラ』も美術と音楽が美しい映画でした。押井さんの場合は都市風景の美しさの印象が強いけど、『スカイ・クロラ』の空はとても美しかった。

 すごくシンプルな『源氏物語』の人物造形のことを富野監督が何て言ってたのか忘れちゃいましたけど、あっさりとしているから感情移入できるというのはあるような気がします。生身の役者など見せられたのでは自分の思い出が投影できない。そういう意味では、第二話あたりでの主人公は、若干カッコよく描かれすぎている気がして遺憾でした。(笑)

 いろんな人が指摘してたと思いますが、新海監督の作品は、過去に囚われて後ろ向きな物語ばかりだと私も思います。「5センチっていうより、オセンチだろっ!」って言いたいぐらい。(笑)

だから、セカイ系以上に「駄目な匂い」のするこの『秒速5センチメートル』は、まず間違いなく現代人、特に「つい過去ばかりに囚われてしまう人」や「今が幸せだとは感じられない人」、言ってしまえば「俺のモテ期はとっくにすべて終わったぜ!」とか思っている童貞少年たちには実によいリハビリテーションになるだろう。『秒速5センチメートル』は本当に最高のエンタテインメントなのだ。アニメーションの美麗さとかそういう点ではなく、ひたすらストレート過ぎていくらなんでも病みすぎているだろうと思われるくらいのその内容ゆえに。

 「つい過去ばかりに囚われてしまう人」、「今が幸せだとは感じられない人」・・・いやぁ、見事に言い当てられている(笑)。意外に耳が痛いと思わないのは、たぶん『ほしのこえ』を見た時点でさすがに後ろ向きの私も「これをよしとしてしまったら・・・たぶん私はダメだろう」と自覚されたから、ある程度は承知で作品に接しているからなのかも。

 ただ、新海監督の作品はたしかに『ほしのこえ』以来の痛さを引きずり続けているけど、一作ごとにその痛さを煮詰めてきているというか。むしろ明確にその痛みに焦点を絞ってきているように思えるところは、注視していてもいいのかなぁと。

過剰に美しい映像によって何か純愛ドラマであるかのように思えるけど、情けない男の情けない話を描いた作品である。よって私としてはこの作品は断固支持。

 これが正しい見方だと思います。美しい映像なんて、正直言えば私にはわりとどうでもよかったりするのかも。
 それでも私のような人間には、この情けない男の情けない物語が本当に最高のエンターテイメントになってしまう。それだけに、この甘美なおセンチに浸りきってしまったらヤバいわけなんですけど、新海監督もそこのギリギリの縁を直視しようとしているんじゃないかと思うので。いや、面白かったです。

スポンサーサイト

ほしのこえ 

[2007/07/23] | 感想系 | トラックバック(0) | コメント(0) | TOP ▲

 長いこと見たいなぁと思っていて、でもいっつもレンタル中だったんですけど、ようやく借りることができたんで。

 新海誠監督の作品は、以前に『雲の向こう、約束の場所』を見て、感動しちゃったんで、すごく期待してたんですけど。・・・意外ですが、私はこれは駄目です。拒否反応が出ちゃう。
 一人で作ったってことで、いろいろ割り引いて考えなきゃいけないことがありますし、一人ででもこんな映像が描けるということは、確かに驚きに値するんだけど、やっぱり(少なくとも私には)“一人で作っちゃ駄目なのかな、いや駄目じゃないんだけど、うーん・・・。”と唸っちゃいました。うまく言えないけど、見ていてしんどかったです。

ほしのこえ(サービスプライス版) ほしのこえ(サービスプライス版)
武藤寿美、鈴木千尋 他 (2006/11/17)
コミックス・ウェーブ
この商品の詳細を見る

 音声は、声優版キャストよりも、ノボルを新海監督自身が演じているオリジナル版キャストのほうが、私にはしっくりきました。プライベートフィルムっていうのかな?たどたどしいぐらいがちょうどいいような。映像特典の予告編を見ていると、そのへんいろいろ感じることがありました。
 そういえば、映像特典に新海監督の短編『彼女と彼女の猫』が入っていて、実はこっちのほうがまだしっくり来たという印象があり。ロボットとか、SFとか、そんなのじゃない作品を作ったほうが、この監督は絶対にいいのではないかと思いました。(何ていうのか、ロボットアニメ好きとしては、嫌な鏡を見せられたような、そんなところもあり。)

 ファンの方も多いと思うんで、あれなんですけど、ごめんなさい。萌え系でもないのに珍しく、私はこの作品ははっきりと駄目でした。(何が苦手なのか、本当は、もう少し考えてみるべきなのかもしれないですけど・・・。)

もう一度『雲の向こう、約束の場所』 

[2007/04/24] | 感想系 | トラックバック(0) | コメント(0) | TOP ▲

 ずっと前からその名前が気になっていたのに、新海誠の作品を見ていなかったのは、ただの怠惰でしたが、今回見てみたのは単純に、“きれいなアニメを見て、あまり何も考えずに癒されたい”と思ったのだったような。けれど実際に目にしてみて、想像以上に感動してしまったということと、決して何も考えずに見ることなんかできなかったということを、とりあえず書き留めておきます。

 「ある意味で、無残な話、残酷な話」という言葉を、見終わった直後の感想でメモしたんですが、それがどういうことなのかを、うまく人に伝えられないまでも、もう少し自分なりに整理してみないわけには行かないな、と。――それで、少し感想を筋道立てて整理してみようかとあがいてみたりもしたんですが、どうもうまく行かないんで、開き直って丸ごとやり直し、まったく個人的な感想を書いておくことにします。

雲のむこう、約束の場所 雲のむこう、約束の場所
新海誠、 他 (2005/02/17)
ビデオメーカー
この商品の詳細を見る

 回想からはじまる冒頭の導入。夢。パラレルワールドの世界設定。この作品は、一篇の夢幻譚だと思うんですね。それはそれでいいんですよ。
 「今はもう、遠いあの日。僕たちは、かなえられない約束をした。」――それはやっぱり、決して“かなえられない約束”なんじゃないかと私は思うんです。
 少年から青年へ、この物語の3年間という時間は、そういう特別な時間を描いているんですよね。少年の日の夢は、そのほとんどが“かなえられない”ということを知って、たぶん私なんかは大人になってしまったような気がします。なのに、ヒロキとタクヤはあんなすごい飛行機さえ作ることができてしまう。“遠いあの日の約束の場所”へ行くことができてしまう。だから、これは“夢”の話なんだよなぁって。ただ、夢には解釈に悩むことがよく出てくるもので、この夢にもいくつか気になってならないことがあります。

 個人的に、私も高校進学と同時に転校をして、友達もいなくて、「僕だけが・・・」「私だけが、世界に一人きり。取り残されている。そんな気がする。」という、そんな気持ちは、とてもよく分かるような気がします。そんな気持ちは、少年から青年へと成長していく中で、誰もが通ってくるものなのか、それは私にはよく分からないですけど。その寂しさの中で、“特別な誰か”に焦がれる気持ちも、だからよく分かる気が。

 「ずっと、ずっと、探してた!」

 恥ずかしいですけど、ここ、ちょっと涙ぐんでしまいました。ただね、ヒロキが「僕はもう、何もあきらめない」と言うのを聞いたら、今度は何だか考え込んでしまいました。それはつまり、「でも、僕を囲む世界は、この先、何度でも僕を裏切る」と知りながら、「何もあきらめない」って何だよってことかな。
 だから私は、「今さらのこのこやってきて、何かと思えば夢の話か、お前を見てるとイライラするよ」というタクヤのほうに思わず共感してしまったような気がします。「僕は、もしかして間違えた場所に来てしまったのではないか」、「今では、サユリの夢のほうを、現実よりも現実らしく感じている」、こういう動機を肯定してしまっていいのか、ってことですよね。

 「塔の先、他の世界まで繋がっていそうだ」とヒロキが感じていたあの塔は、パラレルワールドを開く力を持っていて。それは“もしかしたら間違えた場所に来てしまった”自分を、本来あるべきだった場所に連れて行ってくれるものだったかもしれなくて。でもそれは、「誰もが手の届かないもの、変えられないものの象徴として見ている」ものなんだ。
 「そう思っている以上、この世界は変わらないだろう」っていうけれど、手を伸ばせば届きそうなところに人生のリセットボタンが見えているなんて、私なら耐えられない。

 どうしてあの塔は壊されなくちゃならなかったんだろう。

 いや、その答は今、私が書いたとおりで、手を伸ばせば届きそうなところに人生のリセットボタンが見えているような夢は、破られるべきなんだと思いますよ。甘い夢に見えて、それは悪夢なんじゃないかと思う。――しかし、世界を“違う夢”に書き換えられるかもしれないという可能性とは、それは何て甘美な誘惑だろう!

 決して届かないはずの“約束の場所”に辿りつけてしまうという夢の中で、世界を書き換えられる可能性を自らの手で破壊してしまうんだな、ヒロキは。だけど、自分や世界にあったかもしれない無限の可能性と引き換えに、彼は“特別な誰か”に出会うことができたってことなんだろう。

 「約束の場所を失くした世界で、それでも、これから、僕たちは生きはじめる。」

 この結末は、だから、これで正しいと思います。

 ただね、少年時代はもちろん、青年時代ももう遠く過ぎ去ってしまった今の私から見れば、この物語の全てがまた、遠い日の甘美な夢かなぁ、と思えてしまうのが寂しい。
 「かっこいいから!」「せっかく拾ったから!」「変形させたいから!」・・・いや、いいですよ。すごくいいです。まるでガンプラの話みたいですよね。要するに彼らが飛びたかったのは、そんなようなもんだったんだということも、ここではちゃんと分かっていて描かれている。
 「付き合うって・・・何すればいいのか、よく分かんないしさ。」・・・はぁーっ!甘酸っぱい!! (笑)
 新海さんって誠実な作家なんだろうな。だからこそ、彼らの全ては“これから”なんですよね。そして間違いなく、「僕を囲む世界は、この先、何度でも僕を裏切る」ことは、残酷に繰り返される。

 「・・・でも、僕にはそのとき、サユリが輝く世界の中心にいるように見えたんだと思う。・・・ああ、そうか。今、とても大切なことが、何か、分かった気がしたのに。」と言っているヒロキはまだ、そのことにしっかり気付けていないかもしれないけど、「夢が消えてく。ああ、そうか。私がこれから何を失くすのか分かった。」と言っているサユリは、そのことにもう、気が付き始めているのかもしれないですね。

 だけど、過去に繋がるあの塔は、壊されなくちゃならなかったのかもしれないけど、未来に繋がるあの塔を、彼らは“これから”築いていかなきゃならないんじゃないだろうか。
 「いつも、何かを失う予感がある。」
 これは二重三重に、何かを失いなおす話なのかもしれませんね。映像の美しさと裏腹な、その残酷さに、胸が締め付けられるんじゃないかと私は思ったような気がしてなりません。誠実さって、きっと残酷なものなんだ、何だかそう思います。


| ランキングオンライン |

『雲の向こう、約束の場所』(新海誠) 

[2007/04/22] | 感想系 | トラックバック(0) | コメント(0) | TOP ▲

 少し、目先を変えてみたかったんだと思います。でも、前からとても気になっていて見ていなかったのが新海誠さんの作品でした。(見ようかなと思ったときには、いっつも“レンタル中”だったんですよね。今回たまたま借りられたので、ようやく見ることができましたよ。)

 見終わったばかりのところで、深く考えずに感じたことをメモしておこうかと思います。

  • 感動しました。胸がギュッとなりました。
  • それは、ある意味で、無残な話、残酷な話だと思ったからのような気がします。
  • 絵が美しいことは聞いていました。「都市の風景の美しさ?」というようなことを書いたところだったので、この反則級の田舎の風景の美しさを手放しで誉めるのは、とてもためらわれるのですが。(あと、パラレルワールドな世界設定のこととかも。)
  • でも、そんな細かい“てにをは”よりも、あのラストを認めていいのかどうかってことでしょうね。考えさせられます。(「んー、これで終わるのか」と、そこはつい、そう思ってしまいました。途中にいくつも“胸がギュッ”となるところがあった割に、最後は“万感胸に迫る”ところにまで行かなかったところが。)
  • 中学3年生って15歳? 3年後は18歳か、・・・と、しみじみ。(笑)
    この年代に設定したい意味は分かるけど、少し苦しい、のかな。
  • 「で、結局あれは・・・」みたいな説明的なことは、まあかまわんのですが、「それが象徴していたものは・・・」みたいな部分は考えてみたいような、みたくないような。(うかつに言葉にしちゃうと上滑りするのかなぁ。)
  • とにかくいい映画でしたよ。劇場で見たら、もっと感動しただろうなぁ。
雲のむこう、約束の場所 雲のむこう、約束の場所
新海誠、 他 (2005/02/17)
ビデオメーカー
この商品の詳細を見る

 「無残、残酷」という印象は、もう少し説明が要りますかねぇ。単に“切ない”ではなくてね、「うわぁ・・・」と途中で何回か、いたたまれないぐらいにつらくなりました。ラストについて思ったことっていうのは、そこをオブラートにくるんで終わっちゃった、みたいな感じですかね。

 ・・・とか書いていたら、もう一回見たくなりましたので、ではまた。


| ランキングオンライン |

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。